2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16654045
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
増田 康博 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (60150009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JEONG Sun-Chan 大学共同利用機関法人, 高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研究所, 助教授 (00262105)
渡邊 裕 大学共同利用機関法人, 高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研究所, 助手 (50353363)
安達 利一 大学共同利用機関法人, 高エネルギー加速器研究機構・加速器研究施設, 助教授 (80141977)
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Keywords | 超冷中性子 / He-II / スパレーション中性子 |
Research Abstract |
超冷中性子(UCN)実験は、ほとんどの場合、UCNを容器内に閉じ込めて行われる。このとき、UCNの基本的な性質、つまり容器内でのUCN寿命、密度、そして、エネルギースペクトル等の基本パラメータを知ることが重要である。また、UCNのパルス性も重要となる。我々は、中高エネルギー陽子によって発生するスパレーション中性子を、超流動ヘリウム(He-II)のフォノンで、UCNにする新世代UCN源を実現させた。(Phys.Rev.Lett.89(2002)284801)これまで、このUCN源の基本パラメータのデータは、これまで世界に存在してない。今回の研究は、この基本パラメータを求めるのが目的であった。 He-IIUCN源では、超冷中性子寿命は、He-IIの温度とUCN容器壁との相互作用で決まっている。He-IIUCN源の特徴である長いUCN寿命を実現するため、UCN容器の真空ベーキング装置の開発と製作、He-II温度を1.2Kから0.5Kまで下げる為の3He冷凍器の設置等を行った。そして、改良された装置で、1.2KでのUCN発生を行い、容器に蓄積されたUCNは、これまでに比べて、2倍近くに増大したことを確認した。UCN蓄積量は、グルノーブルの冷中性子ビームを用いたHe-IIUCN源をすでに上回っていることを確認した。また、UCN検出器の試験を行い、その改良を行った。0.5K運転は、次年度に開始する予定である。これらの改良は、低エネルギーUCNの効率的な蓄積を行う為のものである。次年度、臨界エネルギー100neV、容積6リッターのUCN容器内で、UCN密度を現在世界最強であるグルノーブルのタービン型UCN源の10倍にし、今回の研究目的である低エネルギーUCNスペクトルの測定を行う予定である
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