2004 Fiscal Year Annual Research Report
押す・引っ張る・ねじ曲げる「力」によるナノ=ファブリケーション
Project/Area Number |
16654047
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
宇治原 徹 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60312641)
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Keywords | ナノテクノロジー / 歪み / パターン形成 / 半導体 / エッチング / 量子構造 |
Research Abstract |
本研究の最終目的は、「メカニカルナノファブリケーション」というナノ量子構造形成における新しいパラダイムの確立にある。その第一歩として、主にSi結晶を用いて、あらゆる歪み印加方法(圧縮・引っ張り・異方性曲げ)で歪みを材料に印加しながら、エッチングや短時間アニーリングを施すことで、歪み緩和を起こさせ、それに伴う結晶表面におけるナノ構造形成を確認する。また、歪み印加法・歪み量をパラメータとして、ナノ構造や構造間の配列(サイズ、周期性、対称性)の変化を観察することにある。最終的には、量子ドットデバイスの実現に最も重要である、格子状に整列したドットアレイの実現を目指す。 本年度は、主に次の二つを行った。一つ目は、歪みを印加しながら熱処理を行なう装置の開発を行った。本装置は真空環境、もしくは不活性ガス環境下で、最高1000℃の熱処理が可能となっている。本装置を用いてSi基板への歪み印加実験を行ったところ、500度の温度でもSiの変形が見られた。この温度は、通常Siの延性脆性転移温度と考えられている1100℃よりもはるかに低い温度である。もう一つは、装置開発と並行し、簡易歪み印加装置を用いて、歪み環境下でのエッチングを実施した。エッチャントにはフッ酸とフッ酸・硝酸の混合液を用いた。その結果、フッ酸・硝酸の混合液の場合は、歪みをかけることで溶解が促進されることが確認された。しかし、当初の予定である名の構造の確認までには至らなかった。今後、エッチャントの種類と濃度の選定がキーとなる。
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