2004 Fiscal Year Annual Research Report
新しい表面電気伝導測定法の開発:電子輸送中のフェルミ面測定
Project/Area Number |
16654048
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松田 巌 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (00343103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 修司 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (00228446)
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Keywords | フェルミオロジー / 表面 / 低次元物性 / 輸送現象 / 表面電気伝導 / 光電子分光 / 電気伝導 |
Research Abstract |
本研究では、交流電場(マイクロ波)下のサンプルについて、そのフェルミ面の変化を光電子分光で直接計測することを試みる。本年度はその実験に必要不可欠なシステムの立ち上げを行った。まずマイクロ波として周波数領域(18〜26.5GHz)のKバンドを選択し、Gunn Oscillatorを基にしたマイクロ波発生器を準備した。尚、Gunn Oscillatorを制御するのに不可欠な精密安定電源は自作した。一方本実験では発生させたマイクロ波を光電子分光に不可欠な超高真空に導く必要があったが、そのような特殊な真空フランジは既存していなかったので業者と共同開発をした。以上のように実験に必要な部品が揃ったので、現在実際にそれらを組み上げたシステムのテストを行っている。 本年度は上記立ち上げの他に、本研究プロジェクトの研究対象となる金属超薄膜及び金属単原子層などの様々な系のバンド及びフェルミ面のマッピングを光電子分光で行った。その中で特に注目したのは自由電子的バンドを有するSi(111)/3x/3-Ag表面へ一価金属(アルカリ金属、貴金属)吸着をさせた系である。これら吸着原子は表面バンドに電子をドーピングし、またある吸着量で/21x/21周期で配列する。この/21x/21相は過去の電気伝導の研究から高い表面状態電気伝導を有することが知られており、そこで本実験ではそのフェルミ面研究を行った。得られた実験結果について2次元ボルツマン方程式を経て過去の電気伝導度と比較したところ定量的に一致した。/21x/21相の高い電気伝導はフェルミ準位の状態密度とフェルミ速度の増加が期限であることが分かった。 以上のように本年度は予定通り装置の立ち上げを完了し、研究対象系について新しい結果を得ることができた。本研究者は上記以外の系にも研究を従事し、別紙論文リストに示すように報告した。
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[Journal Article] Long-periodic modulations in the linear chains of Tl atoms on Si(100)
Author(s)
A.A.Saranin, A.V.Zotov, I.A.Kuyanov, V.G.Kotlyar, M.Kishida, Y.Murata, H.Okado, I.Matsuda, H.Morikawa, N.Miyata, S.Hasegawa, M.Katayama, K.Oura
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Journal Title
Physical Review B (In press)
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