2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16654070
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
瀬野 徹三 東京大学, 地震研究所, 教授 (10216567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大倉 敬宏 京都大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (40233077)
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Keywords | フィリピン海プレート / 沈み込み / 低周波微動 / 地震 / 脱水 / 蛇紋岩 |
Research Abstract |
低周波微動が観測されず、花崗岩質の地殻が沈み込んでいて脱水が少ないと考えられる関東・伊豆、四国東部、九州南部では、海洋地殻内では地震が起こらないと期待される。そのことがまだ確かめられていない九州南部のスラブ内地震がどこで起こっているのかを、後続波の解析で調べるのが目的である。調べた地震は、 1.後藤・本田(2001)の附表1でCDのラベルのあるものの内、深さ30km以上、マグニチュード3.0以上のもの。期間は1996年5月から1999年10月,全部で50イベント, 2.防災科学技術研究所Hi-netの九州南部のイベント波形の内、深さ30km以上、マグニチュード3.0以上のもので期間は2002年6月から2004年3月,全部で45イベント, の2種である。 結果は、前者の地震については、全50イベント中後続波がみられたのは6個、みられなかったのは8個、その他36個についてはどちらともいえなかった。後者の地震については、全45イベント中、1個だけ後続波がみられないと言い切れるものがあったが、それ以外の44個についてはどちらとも言えなかった。後続波がないと断定できる地震が少ないことは,スラブマントル内で起こる地震が少ないことを示唆している。後藤・本田の地震について、後続波の確認できた地震は、地震面の比較的上面に位置しており、このこともこれらがスラブ地殻内地震であることを示唆している。しかし、この地域の、特に海域における震源決定精度は決して十分とはいえない。震源位置からの推定を行うには、震源再決定を行って、これらの地震の地震面に対する相対位置の決定精度をもっと上げなければならないだろう。
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