2004 Fiscal Year Annual Research Report
2相反応系岩石模擬物質の変形実験の試み-地殻強度問題の理解に向けて-
Project/Area Number |
16654078
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
大藤 茂 富山大学, 理学部, 助教授 (60194221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 了 富山大学, 理学部, 助教授 (30262497)
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Keywords | 多相系 / 反応系 / レオロジー / 岩石模擬物質 / 変形実験 / 透視実験 |
Research Abstract |
今年度,大藤は,偏光顕微鏡にデジタルカメラを装着し,透視変形実験の動画・静止画像を高解像度かつリアルタイムで保存可能にした.また,パラジクロルベンゼンを岩石模擬物質とした透視変形実験を行い,剪断変形時の相転移の有無を調べた.しかし,今回の実験の歪速度(10^<-4>/s)では変形時に生成される再結晶粒子の粒径が小さく,相転移の有無を調べるのは困難であった.今後,より大きな再結晶粒子の生成が期待される低歪速度の実験を行う必要がある. 一方,渡邊は,固体試料に大変形を加えることができるように,回転式変形実験装置を改造した.主要な改造点は,以下の2点である. *変形様式の変更:現有の二重円筒型回転式変形装置は,流体試料のレオロジー測定には適しているが,固体試料と装置とのカップリングを確保することが困難であった.この問題を解決するため,変形様式を平行リング型に変更した.改造を施した装置では,内径64mm,外径84mm,厚さ約5mmのリング状試料に対してねじりを加えることができる.上下2つのリングの表面には幅2mm,深さ2mmの溝があり,間に挟み込まれるリング状試料とのカップリングをとっている.実際には,粉末試料を上下のリングの間に充填した後,軸力を加えて圧密試料をつくる.トルクおよび軸力を加えるために、モーターの回転伝達にスプラインシャフトを採用し,シャフトに通したスプリングによって軸力を発生させている. *測定系の変更:変形様式の変更に伴いトルク変換器を更新した.これは,軸力に対する剛性の高いもので,最大50Nmのトルクを測定できる.また,自作したセンサー・アンプを使用することにより,最小0.04Nmのトルクも測定可能になった.モーターの変位およびトルクの同時測定を実現するために,コンピュータにAD変換ボードを組み込んだ測定システムを構築した.
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