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2005 Fiscal Year Annual Research Report

「硫化水素の存在は真核生物の飛躍進化を誘引する」仮説の検証:有孔虫を例として

Research Project

Project/Area Number 16654081
Research InstitutionJapan Agency for Marine-Earth Science and Technology

Principal Investigator

北里 洋  独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, プログラムディレクター (00115445)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 豊福 高志  独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 研究員 (30371719)
山本 啓之  独立行政法人海洋研究開発機構, 極限環境生物研究センター, グループリーダー (30182645)
土屋 正史  独立行政法人海洋研究開発機構, 極限環境生物研究センター, 特別研究員(PD)
Keywords層位・古生物学 / 嫌気環境 / 適応生態 / 共生進化 / 硫化水素 / バクテリア / ゲノム / 生命史
Research Abstract

本研究は,硫化水素存在環境に生存する有孔虫類を例として,真核単細胞生物への微生物の共生について理解するとともに,「硫化水素が飛躍的な生物進化を誘引する」仮説を検証する道筋を作ることを目的とする。研究は,(1)嫌気的な環境に生息する有孔虫にはどのような微生物が共存するのか?(2)微生物は何をきっかけとして,どのように取り込まれるのか?(3)微生物は細胞内で何をしているのか?(4)微生物が細胞内にいることは有孔虫の殻にどのような影響を与えるのか?について形態、分子両面から検討する。また、微生物生態学的なアプローチも試みる。研究材料は,夏季に硫化水素に充満した環境が出現する非調和型汽水湖である鹿児島県甑島なまこ池,京都府阿蘇海,静岡県浜名湖に生息する有孔虫Virgulinella fragilisを用いた。遺伝子および細胞のTEM観察の結果、この種には、細胞膜近傍にγ-プロテオバクテリア(硫黄酸化細菌)が分布し、細胞の中心には、浮遊珪藻スケルトネマに由来する葉緑体が多量に取り込まれていた。一方、模式地であるニュージーランド・ウェリントン港に生息するVirgulinella fragilisは、酸化的な環境であるにもかかわらず、γ-プロテオバクテリアと葉緑体が細胞内に分布していた。ただし、葉緑体は珪藻コシノディスカスに由来するものであった。これらのデータは、有孔虫が共生微生物をまわりの環境から取り込むことを示した。共生体の機能は、硫黄酸化細菌が硫化水素の無毒化、葉緑体が窒素固定と推定されているが、現在検討中である。有孔虫への細胞内共生は、Virgulinellaだけでなく、貧栄養の超深海に生息するステルコマータを持つ軟質殻有孔虫や近縁グループのグロミア属の細胞にも見られる。しかし、これらの共生微生物が何をしているのかという機能の解明は今後の問題として残った。

  • Research Products

    (3 results)

All 2005

All Journal Article (3 results)

  • [Journal Article] 海底1万メートルに生息する有孔虫が語る生物進化2005

    • Author(s)
      北里 洋
    • Journal Title

      科学 v.75, no.7

      Pages: 871-876

  • [Journal Article] 野いちご状パイライトの結晶形態と堆積環境との相関-無酸素環境のプロキシー-2005

    • Author(s)
      北里 洋, 中西良子
    • Journal Title

      月刊海洋 v.37, no.11

      Pages: 803-812

  • [Journal Article] 現在と過去の無(貧)酸素環境-比較研究の必要性-2005

    • Author(s)
      西 弘嗣, 北里 洋, 松岡数充
    • Journal Title

      月刊海洋 v.37, no.11

      Pages: 775-783

URL: 

Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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