2004 Fiscal Year Annual Research Report
顕微ラマン分光法による流体包有物一粒からの炭素同位体比測定法の開発
Project/Area Number |
16654088
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鍵 裕之 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (70233666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 順司 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60378536)
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Keywords | ラマン分光 / 炭素同位体組成 / 流体包有物 / 非破壊分析 / 顕微分光 |
Research Abstract |
今年度までに、ラマン分光法によって二酸化炭素を主成分とする流体包有物のラマンスペクトルを顕微分光法によって精度よく測定する手法を確立した。本研究では炭素同位体の測定を二酸化炭素のラマンスペクトルの形状解析から行う。しかし、二酸化炭素のラマンスペクトルの形状は装置の状態などにより変動しうることをこれまで我々は確認している。そのため、装置の変動を考慮に入れたスペクトルの規格化が解析のためには必要である。そこで本年度は、標準試料による規格化の手法を確立した。規格化には既存のマントル捕獲岩の薄片に含まれる二酸化炭素流体を用いるため、試料の劣化などを憂慮する必要はない。 また、さらに今年度は既知の炭素同位体組成を持つ高密度な二酸化炭素流体を合成するラインを製作した。このラインは二酸化炭素ガスを原料とし、加圧により二酸化炭素流体を生成することができる。今年度は^<13>Cに富む二酸化炭素をライン中で生成し、まずは^<13>Cに富む二酸化炭素二酸化炭素のラマンスペクトルを測定し、これまで^<13>C0_2として帰属されていたラマンスペクトルの帰属が正しいか否かを確認する準備を行った。また、サファィヤ窓付きのセルを製作し、生成した流体に4000気圧程度の高圧力をかけることができる装置の開発も行った。この装置を使用することによって、炭素同位体ならびに流体密度を制御した二酸化炭素のラマンスペクトルをその場観察することができる。
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