2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16654091
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山中 千博 大阪大学, 理学研究科, 助教授 (10230509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久冨 修 大阪大学, 理学研究科, 助教授 (60231544)
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Keywords | DNA / タンパク質 / 衝撃 / 振動破壊 / レールガン |
Research Abstract |
生命物質の宇宙起源については多くの仮説があるが、その保存性について惑星間移動に必須の衝撃効果を調べた例はない。そこで、プラズマレールガンを用いて固体凍結白油について衝撃実験をすすめるとともに、本年度は、繰り返し振動装置を用いて、溶液状態のDNA試料について高振動負荷を与える実験を行った。 衝撃試験では、-30℃以下でカプセルに封入した凍結DNA試料を秒速7kmのポリカ飛翔体で衝撃させる実験を行った。結果として、10GPa程度までの衝撃で、DNA鎖がその2重鎖構造を保ったまま、数k塩基対までのさまざまな長さに分断されること、また短いDNA試料の法が破壊されにくいことが判明した。また自動振動試験装置を使用し、室温で固体粒子を含んだλ-DNA、プラスミドDNA溶液試料を30G程度までの範囲でその振動耐性を調べた。振動時間は1分間〜100分間として、振動後に回収した各サンプルを電気泳動法により、残留DNA濃度およびその鎖長変化を測定し、各コントロールDNA(振動時間0分のDNA)と比較した。振動によるDNAへの影響は、衝突による様々な長さに連続的に分断する結果とは異なった結果を与えた。一般にλ-DNA、プラスミドDNAにおいて、ともに粒子を混入しない状態で振動をさせた場合、それぞれの内部で切断・破壊は見られなかった。これは、媒質である緩衝溶液とその内部のDNAが同位相で振動するため、DNA自体には等しい内力として加速度が加えられたに過ぎないからである。一方固体粒子の存在下では、λ-DNAで切断・破壊が起こったが、プラスミドDNAでは大きな変化がなかった。前者では、粒子が振動装置による振動に同調しない位相遅れの振動をしたためにDNAとの衝突が繰り返され、切断・破壊が起きたと考えられる。プラスミドDNAの実験においては、DNAの形状が環状であることと、鎖長の短いことが切断・破壊を起こさせなかったことが考えられる。
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Research Products
(1 results)