2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16655005
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
若林 知成 近畿大学, 理工学部, 講師 (30273428)
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Keywords | 温度画像 / 高速ビデオカメラ / 黒体放射 / 微粒子 / クラスター / 炭素鎖分子 |
Research Abstract |
原子や分子またはそのクラスターの凝集によって生成する微粒子の成長過程に伴う自己加熱と輻射冷却の研究に必要な高速温度画像測定装置の開発を行っている。具体的には1ミリ秒以下の単一現象で連続する複数の黒体温度画像を得る目的で、次の三段階に的を絞って研究している。 1.高速ビデオカメラの光入射部に前置する二波長分割画像投影光学系の開発. 2.分割画像を黒体温度画像に再構成するためのプログラム開発. 3.鎖状炭素分子の凝集過程における自己加熱反応の解析への応用. 本年度は上記の課題1および2に着手し、それぞれ以下のような進捗があった。 1.二波長分割画像の取得では、方解石を用いた画像分割に成功し、高速ビデオカメラを用いて4500コマ毎秒という高速レートで閃光現象を分割画像の動画として捉えることができた。二波長の同時測定に関しては色ガラスフィルターやゼラチンフィルターの組み合せを試行し、その特性を把握した。その結果、方解石特有の光路の非対称性による像の歪みや各光学フィルターに特有の透過波長分布による、解析の複雑化などの新たな課題も浮上した。今後はこれらの点を重点的に改善していく。 2.黒体画像への再構成プログラムの開発については、そのアルゴリズムを検討し、コード化に着手した。動画として保存された複数の画像一枚一枚に異なる二波長で測定された一対の画像の組が記録されている。対応する範囲を指定して読み出した上で、対応する二点に記録された明るさ強度の比から黒体温度を換算し、これを総ての組について行った上で温度マップとして画像に再構成しこれを記録する。本年度は、動画の取込みと各画像への変換プログラムの作成を終え、各画像から対応する画像の組を取り出して記録するところまでを実際にコード化した。
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