2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16655006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
篠原 厚 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60183050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 渉 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90333319)
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Keywords | ミュオン原子 / パイ中間子原子 / X線のエネルギーシフト / 負ミュオン捕獲 / 化学反応 |
Research Abstract |
ミュオン原子やパイオン原子で出現する(Z-1)原子は非整数の原子番号に対応するようなエネルギー状態になると考えられる。本研究では、このような原子を新しい化学種として認識する基礎研究として、パイオニックX線(πX線)と相関して放出される電子X線の微細構造の変化やエネルギーシフトから分子へのパイ中間子捕獲後の分子・原子状態を調べる。さらに、その結果に基づき、軽い元素のミュオン原子(例えば、μHe、μLiなど)の化学反応を調べるための予備的実験を行い、その可能性を探る。さらに、原子・分子ビーム実験を目指したミュオン原子ビームの生成法を検討する。 本実験の前半部分は、すでに高エネルギー加速器研究機構(KEK)の陽子シンクロトロン(KEK-PS)で申請者が責任者である共同利用研究(πAX)ですすめている。さらに昨年度から、KEK中間子科学研究施設(KEK-MSL)に研究申請をし、ミュオンにおける同様の研究プロジェクトをスタートさせた。以下、今年度の研究内容を列挙する。 1.KEK-MSLにて、ミュオン原子についてミュオン捕獲に伴う電子X線の測定を行った。過去の研究より軽い系についてもデータを得、原子過程に関する新たな知見を得た。 2.存のガスチェンバーにより、CH_4(メタン)+Ar(アルゴン)の高圧ガス試料について、ミュオン捕獲に伴う発光現象の測定テストをした。しかしながら、測定系の不安定さにより優位な差は観測されなかった。 3.上記のテスト実験の結果に基づき、ミュオン原子の化学反応を調べる装置のテストベンチ用のチェンバーを作成した。現在、チェンバーの性能テストを行った。 4.これを用いた最終のマシンタイムが実施された。 今後、これらの実験結果により、将来に向けたミュオン原子反応実験の方法論を検討する。
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Research Products
(2 results)