2004 Fiscal Year Annual Research Report
溶液中タンパク質におけるtrough-bond電子移動経路の定量的評価方法の構築
Project/Area Number |
16655009
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
青木 百合子 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (10211690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茂木 孝一 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助手 (30304835)
仲 一成 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30314727)
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Keywords | Elongation法 / Through Space / Bond法 / タンパク質 / 溶媒効果 / 電子移動反応 |
Research Abstract |
現在までに開発してきた完全にオリジナルな2つの手法、Elongation法-とTS/TB解析法-を結びつけることにより、タンパク質における協同現象の解明の手がかりとなりえるThrough-bond電子移動反応機構の電子論的な解析が可能になると考えた。巨大系に対するO(N)[原子数の一次に比例するCPU時間で計算]の計算方法-高分子の理論的重合法(Elongation)を非経験的分子軌道法のレベルで実用化できるよう発展させると共に、得られた各結合上の自然結合軌道(NBO)を基底としたThrough Space/Bond(TS/TB)解析法を組み込み、タンパク質の電子移動経路の探索が可能となるようElongation-LMO-NBO based Through Space/Bond相互作用解析法(ELN-TS/TB法)を開発している。これに、溶媒効果を導入し、溶媒中のタンパク質における協同現象や電子移動反応の解析を行い、本手法の信頼性と実用性を検証していく。その前段階として、Elongation法のさらなる高速化のための新規手法(新たな局在化の手法や基底カットオフ法など)の導入・整備を行い、タンパク質モデル系へ適用した成果をまとめ、論文として公表した。一方、溶媒効果が重要な有機反応(S_N2反応など)における反応速度と立体電子効果の関係を調べるため、NBOを基底としたTS/TB法によって解析したところ分子内電子移動反応が遷移状態の安定化を起こしている事実が明らかになり、その成果を発表した。
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Research Products
(6 results)