2004 Fiscal Year Annual Research Report
液液光導波路を用いる混じり合う溶媒間の溶媒抽出の研究
Project/Area Number |
16655026
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
角田 欣一 群馬大学, 工学部, 教授 (30175468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小竹 玉緒 群馬大学, 工学部, 講師 (10301128)
梅村 知也 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10312901)
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Keywords | 液液光導波路 / シースフロー / テトラヒドロフラン / ローダミンB / 8-アニリノ-1-ナフタレンスルホン酸 |
Research Abstract |
1.実験装置の試作と実験条件の検討 外側キャピラリーに内径1.1mmのガラス管、内側キャピラリーに内径0.31mm、外径0.51mmのステンレス管を用い、さらにUV透過光ファイバーを内側キャピラリーに挿入した実験装置を作製した。そして内側には有機溶媒(THF)を、また外側には水を導入し、シースフローを形成させた。シースフローの長さは60mmおよび150mmである。送液には、重力を利用する落差法を適用したところ、線速度約1〜2cm/s範囲で脈流のないシースフローを実現できた。光ファイバーを介して355nmのレーザー光を導入した結果、シースフローの出発点から出口の150mmに到るまでほとんど減衰のない光導波が観測された。 2.色素分子の挙動に関する研究 上記で作製した実験装置を用いて、混じり合う溶媒間の「界面」における色素分子の挙動を検討した。まず、水相にも有機相にも可溶なローダミンB分子(RhB)と、有機相にのみ可溶なオクタデシルローダミンB分子(ODS-RhB)を用いて挙動の違いを検討した。その結果、有機相からの水相への拡散がODS-RhBに比べてRhBのほうが大きいことが導波光の減衰率から確認された。また、8-アニリノ-1-ナフタレンスルホン酸(ANS)はソルボクロミックな蛍光色素として知られている。ANSを水相に添加したところ、観測されるANSの蛍光は有機相(ブルーシフトする)と水相の中間的なスペクトルを与え、界面におけるANSを検出していることがわかった。さらに、陽イオン界面活性剤であるCTABを水相に、ANSを有機相に添加すると、ANSの有機相からの拡散の阻害が観測された。この機構について、現在詳しく検討している。
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