2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16655029
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
渡會 仁 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30091771)
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Keywords | 磁気質量分析法 / 磁気泳動法 / 生体微粒子 |
Research Abstract |
本研究は、従来の質量分析法(MS)とは全く原理のことなる、磁気力を用いる新しい磁気質量分析法の開発を行うものである。これまでの質量分析法では、電荷をもたない微粒子はイオン化によって電荷をもたせる必要があったが、このことが分解しやすい化合物やサイズの大きな生体微粒子の質量分析を困難としていた。本発明による磁気質量分析法は、高磁気勾配の中を飛行する微粒子の加速度から、その磁化率と質量を同時に測定するものである。本研究は、このような前例のない革新的な方法の原理を実証的に示すことを目的とする。今年度は以下の点を検討した。 1、試料の射出法の検討 現有のインクジェット方式のマイクロ液滴放出装置を用いて、微粒子を含む体積フェムトリットルの液滴を精度良く射出するための、溶媒、電圧、周期等の条件を検討した。 2、ポールピースの製作 間隔が1mm以下の鉄製のポールピース(磁場勾配増強ピース)を製作した。そして現有の10T超伝導磁石の直径10cmのボア内に設置できるようにした。 3、測定光学系の製作 現有のCCDカメラを用いて、微粒子の飛行軌跡を測定するためのプラットフォームを非磁性素材で作成した。インクジェット型マイクロ液滴放出装置、ポールピース、対物レンズ、CCDカメラ、現有のストロボライト等を、直径10cmのボア内のプラットフォームに設置した。 4、測定、解析法の整備 磁気力の作用する領域で微粒子が等速運動に至るまでの時間(緩和時間)を測定する方法を検討し、その緩和時間より質量を求める解析式を検討した。
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Research Products
(2 results)