2004 Fiscal Year Annual Research Report
金属微粒子により作られたナノ空間を利用する新規検出法の開発
Project/Area Number |
16655030
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
長岡 勉 大阪府立大学, 先端科学研究所, 教授 (00172510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椎木 弘 大阪府立大学, 先端科学研究所, 助手 (70335769)
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Keywords | ナノ粒子 / DNA / DNAチップ / SNIP / 伝導度検出 / ナノデバイス / 金コロイド / ジチオール |
Research Abstract |
分析機器の微小化が精力的に研究されている。特に,検出機構の微小化はこの種の機器を設計する上で欠くことができない。この研究は,従来検出が困難であった可視/紫外光,電気化学的不活性化合物等の検出を可能にする新しい微小検出器の開発である。 この検出器の最小構成は,金ナノ粒子数個分の空間(数十nm)である。しかもその作製には高度なナノ配列技術を必要とせず,極めて簡便かつ安価である。検出原理は,ジチオール分子によってナノメートル単位で分離された金粒子間の電気抵抗を測定するものである。粒子間にレセプター分子を配置すると,粒子間抵抗はホスト分子の結合により変化する。 本年度の検討結果の概略を以下に示す。 まず,DNAチップへの応用を目指して,DNAのセンシングに対する検討を行った。基板上の金微粒子に修飾した一本鎖DNA(プローブ)に対して,完全2重らせんを形成する試料DNAを添加すると導電パスが形成され,膜抵抗は低下したが,構成塩基にミスマッチがあるときには膜抵抗はあまり低下しなかった。このような簡単な構成で,1塩基のミスマッチを明確に区別することができたので,DNAの塩基数や配列を変化させて感度等の基礎的検討を行い,本法の可能性について調査した。その結果,ミスマッチの位置に抵抗は左右されず,ミスマッチの個数にのみ依存することが分かった。また,ジチオールをブリッジ分子とする代わりに両末端をチオール化したDNAを用い,これをプローブとすることでセンサーは特に高い感度を示した。
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