2004 Fiscal Year Annual Research Report
多機能集積キャピラリー電気泳動マイクロチップの開発
Project/Area Number |
16655031
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
寺部 茂 兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 教授 (50115888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久本 秀明 兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 助教授 (00286642)
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Keywords | マイクロチップ / キャピラリー / 前処理 / 化学修飾 / 化学機能 / 電気泳動 |
Research Abstract |
本年度は多機能集積キャピラリー電気泳動マイクロチップ開発のための基盤技術開発として、次の項目を実施した。 (A)電気泳動チップの試作 (B)化学修飾角型キャピラリーの試作(酵素反応機能、濃縮機能) (A)ここでは角型ガラスキャピラリーを、角型断面を持つマイクロチャネルに接合させる電気泳動チップ作製方法を確立した。接合の際、スピンキャストしたPDMS薄膜をカバーとして用いることで、キャピラリー埋め込み時に生じるデッドボリュームや液漏れを防ぐことができた。また、このチップを用いてゾーン電気泳動を試みたところ、シリンジポンプのON-OFFスイッチングに基づく試料導入および電気泳動分離に成功した。 (B)酵素固定化キャピラリーの開発においては、角型キャピラリー内にグルシジルメタクリレート系ポリマーモノリスを作製し、その表面への酵素固定化を行った。モデル実験としてペルオキシダーゼ、ガラクトシダーゼを用いた実験を試みたところ、キャピラリー内滞在時間に応じた蛍光応答が得られ、酵素固定化に成功したことがわかった。また、濃縮機能キャピラリーとしては、ブチルメタクリレート系ポリマーモノリスを作製し、ローダミン6Gを用いた吸着・溶離実験を試みた。その結果、10-7Mオーダーの試料溶液を約500倍程度まで濃縮できることを確認した。これは初期濃度を下げることによって、さらなる濃縮倍率向上が期待できるため、次年度、より実際的な試料溶液を用いてその有用性を検証する。 本年度は電気泳動チップ作製の試作、化学修飾角型キャピラリーの作製に成功した。次年度、これらを組み合わせることに加えて、多層流形成などのマイクロ流路の特徴を取り入れ、多機能集積キャピラリー電気泳動マイクロチップの試作品を完成させる。
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Research Products
(2 results)