2004 Fiscal Year Annual Research Report
フタロシアニンの強力な分子凝集作用を活用した一本鎖DNAの開発
Project/Area Number |
16655035
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
融 健 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (00163957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 哲男 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (40293302)
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Keywords | フタロシアニン / ペプチド / 分子ワイヤー / フタロニトリル / MALFI-TOF-MS |
Research Abstract |
初年度の研究計画に従い,分子ワイヤーのモノマーとなるフタロシアニンペプチドコンジュゲートの合成を検討した。まず,ethane-1,2-diamineを酢酸エチル中,室温にて5日間撹拌することによりアセチル化し,N-(2-aminoethyl)acetamideを収率63%で得た。次に塩化メチレン中,トリエチルアミン存在下で,プロモ酢酸メチルと12時間反応させてmethyl2-(2-acetamidoethylamino)acetateを38%の収率で得た。得られたmethyl2-(2-acetamidoethylamino)acetateを用いて,4-(2-carboxyethyl)phthalonitrileとDCC存在下,カップリングを行い,グリシン骨格にフタロニトリルがぶら下がった構造を持つ,methyl2-[N-(2-acetamidoethyl)-3-(3,4-dicyanophenyl)propanamido]acetateを収率50%で得ることが出来た。こうして本計画の原料となるフタロニトリルペプチドコンジュゲートを得たので,次に分子ワイヤーの原料,フタロシアニンペプチドコンジュゲートの合成を検討した。フタロシアニン骨格構築は,統計学的手法を用いることとした。即ち,10当量のフタロニトリルを用いて,ブチルアルコール中,12当量のDBUおよび2.5等量の酢酸亜鉛存在下,100度で20時間反応させたところ,TLC上で4つのスポットが確認できた。分取用TLCにて大まかに分け,得られたそれぞれのスポットをMALDI-TOF-MSによって確認したところ,下2つのスポットから分子量804.60(Calcd 804.19)付近に目的物質と思われるシグナルが確認できた。そこで,分取用TLCによる精製をさらに繰り返し,目的物と思われる青色固体を1%と低収率であるが単離することに成功した。このものは,MALDI-TOF-MS分析によって目的物,2-{N'-(N-Acetylcarbonylaminoethyl-N'-glycinate methylester)propyl}phthalocyaninate zinc(II)であることを確認した(Calcd.804.19[M]^+;Found.803.27.Calcd.827.18[M+Na]^+;Found,827.91.)。
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