2004 Fiscal Year Annual Research Report
ジアゾ化合物の遷移金属触媒重合によるエチレン-極性モノマー共重合体等価体の合成
Project/Area Number |
16655047
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
井原 栄治 愛媛大学, 工学部, 助教授 (90243592)
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Keywords | ジアゾカルボニル化合物 / パラジウム錯体 / フェニルジアゾメタン / 共重合 / ジアゾケトン / ジアゾ酢酸エステル / アゾ基 / ポリアシルメチレン |
Research Abstract |
ジアゾ化合物の共重合によるエチレン-極性モノマー共重合体等価体の合成に至る前段階として、フェニルジアゾメタンとジアゾカルボニル化合物との共重合についての検討を行った。その結果、ジアゾカルボニル化合物としてジアゾケトンおよびジアゾ酢酸エステルを用いた、フェニルジアゾメタンとの共重合が、パラジウム(Pd)錯体を開始剤として進行することを見出した。ジアゾカルボニル化合物とフェニルジアゾメタンとの仕込み比を7:1から1:3へと変化させると、得られる共重合体中の両モノマーに由来するユニットの組成比がその仕込み比にほぼ対応して変化した。元素分析の結果から、ここで得られたポリマーは約5%程度の窒素を含有していることが判明した。その原因として考えられる、主鎖中へのモノマーに由来するアゾ基(-N=N-)の導入を、ラマンスペクトルの測定においてアゾ基に特徴的なピークを観測することにより確認した。アゾ基の導入も含めた、Pd錯体を開始剤とする重合機構を提案することができた。以上の検討の結果として、若干のアゾ結合を含む炭素-炭素結合を主鎖骨格とし、その炭素には置換基としてフェニル基と、エステル基あるいはアシル基が結合した分子量約1000から2000程度のポリマーの合成法を確立することに成功した。これらのポリマーの構造は、従来のいかなる重合法によっても合成することのできないものである。今後は、エチレン-極性モノマー共重合体等価体の合成を目的とする、ジアゾメタンをコモノマーとして用いる共重合について検討する予定である。 関連する研究として、Pd錯体を開始剤とするジアゾケトンの重合についての検討を行い、主鎖の全ての炭素にアシル基の結合したポリアシルメチレンの合成法の開発に成功した。
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Research Products
(1 results)