2004 Fiscal Year Annual Research Report
単一分子画像分光計測によるナノ光物理ダイナミックスへの展開
Project/Area Number |
16655053
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
谷 俊朗 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 教授 (60302923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 勝 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助手 (30345334)
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Keywords | 単一分子画像計測 / 自己相関関数 / 蛍光画像 / 反射画像 / 偏光特性 / 分子架橋剤 / ラベル化剤 / J-会合体 |
Research Abstract |
石英基板上に様々な手法で結合された分子ないし分子集合系を作製し,微視的な光電子物理の立場から単一蛍光分子の寿命等の光物理と動的な分子配向・回転,構造変化の精密計測を実現し解明することを目的とする。その機構解明に必須となる手法として,偏光特性の計測が可能でかつ広い時間領域の時間相関に対応可能な時間分解単一分子蛍光画像分光計測のプロトタイプを開発する。そのために,次の項目を2年間で遂行するとした;1.数ナノ秒から数1000秒に至る時間領域に対応可能な単一遷移双極子偏光分光自己相関計測手法の開発。2.ラベル化色素分子系の探索と基板上への精密結合構造・条件の最適化。蛍光強度自己相関の計測と解析。3.フィブリル構造をもつ新規な分子性J会合体の構造設計と作製。蛍光偏光分光の計測と解析。その手始めとして今年度は,(a)ナノ秒時間分解単一光子計数蛍光寿命計測及び蛍光強度自己相関関数計測装置の設計と試作,(b)TMRラベル化剤の異性体及び3-A PTEOSによる石英ガラス基板への結合反応の最適化,(c)擬イソシアニンPIC以外のシアニン系色素によるフィブリル構造形成条件の探査を実施した。(a)については基本設計を終えて試作に着手し,特に相関器については初期動作を確認し,単一分子計測系への結合に展開中である。(b)は,親水性の石英基板上に3-アミノプロピルエトキシシランを架橋剤として繋ぎ,それにラベル化剤を用いてローダミン色素TAMRAを結合させる試料をモデル系に設定し,その作成条件の確定と画像計測を開始した。解析手法を含めて計測の精度が上がると,従来言われている単一分子計測の結果とは強度変化,時間変化共にかなり様相が異なることが判明しつつある。(c)については,単一分子画像計測と併せて顕微計測の整備が進み,フィブリル構造を取らせたJ-会合体の反射・蛍光画像分光計測が著しく進展し,重要な知見を幾つか得られた。
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Research Products
(2 results)