2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16655055
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
阿波賀 邦夫 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10202772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 渉 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助手 (50292719)
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Keywords | ナノ磁性 / スピントロニクス |
Research Abstract |
分子磁性体が溶媒中で合成されるという利点を生かし、ポリスチレン・ビーズの表面に、均一に球状のナノ球殻分子磁性体を沈殿させ、さらにそれを〓焼させてナノ球殻磁石を合成した。硝酸コバルトを原料にして、加水分解反応によって塩基性炭酸コバルトをポリスチレン(直径500nm)表面に沈殿させた。電子顕微鏡で確認したところ、厚みが40nm程度でほぼ均一にコーティングが成されていた。これを、空気中あるいは水素気流下で〓焼することによって、それぞれナノ中空球殻形状の酸化コバルト(Co_3O_4)とccp金属コバルトをつくることができた。バルクのCo_3O_4は反強磁性体として知られているが、得られたナノ形状磁性体の場合、転移温度以下で格子欠陥上のスピンに起因すると考えられる、大きな自発磁化が観測された。この自発磁化は、球径が小さくなるほど大きくなったが、逆に熱緩和も早くなるような得意な現象が見られた。さらに、酸化コバルト球殻を水素気流下で還元することによって、hcp構造のコバルトも作ることに成功した。その磁気異方性は大きく、ccpコバルトより大きな保磁力を与えた。 本研究では、鉄や酸化鉄(Fe_2O_3およびFe_3O_4)のナノ中空球殻磁性体の合成も行った。水酸化物のポリスチレン上への均一沈殿は、水熱合成用のセルを用い、圧力を加えることによって達成できることを見出した。マグネタイト(Fe_3O_4)の磁気測定では、温度に顕著に依存する保磁力を観測した。バルク磁性体にはない、動的な特性が得られた。
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Research Products
(6 results)