2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16655058
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
桑畑 進 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40186565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小谷松 大祐 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80333847)
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Keywords | イオン性液体 / 導電性高分子 / アクチュエータ / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
導電性高分子の中には、酸化するとアニオンが、還元するとカチオンがドープされるものがある。どちちの場合も高分子の体積変化があるので、それを利用して電解液中でアクチュエータを作ることが出来るという報告が発表されている。いっぽう、イオン性液体は常温において液体状態にある塩で、燃えない、蒸発しない液体であり、アニオンとカチオンだけが含まれている。この両者の性質を利用することにより、電解液中でなく、空気中でアクチュエータが作れるのではないかという発想があり、本研究を開始した。本年度は大きな研究の進展があり、最終目標に大きく近づき、もはや萌芽研究ではなく、実現可能な研究課題となるとともに、派生的なテーマが誕生し、来年度は基盤研究として申請できる段階にまでなった。以下、今年度の成果の要約を記す。 1)イオン性液体中での導電性高分子の電気化学的挙動:種々の導電性高分子について、種々のイオン性液体中で電気化学挙動を調べたところ、ポリチオフェンとその誘導体が、アンモニウム系のイオン性液体中でアニオンおよびカチオンのドープ・脱ドープを行うことがわかった。 2)導電性高分子のアクチュエータ挙動:上記の導電性高分子について、ポリカーボネートフィルムと組み合わせた素子を作り、イオン性液体中で酸化還元反応を行ったところ、アニオンおよびカチオンのドープによって体積変化が起こり、それによって膜が湾曲する挙動が観察された。よって、空気中で動作するアクチュエータ用に考えてデザインした素子を実際に作れば、最終目標のアクチュエータ素子が出来ることに何ら疑いを持つことは無くなった。 3)イオン性液体の電子顕微鏡観察:イオン性液体が、真空チャンバの中で液体状態を保ったままで、走査型電子顕微鏡ならびに透過型電子顕微鏡で観察できることを発見した。
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Research Products
(1 results)