2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16655063
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山中 一郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (90240051)
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Keywords | 過酸化水素 / 酸素 / 水素 / 燃料電池 / 中性電解質 / ガス拡散電 / 電極触媒 / 炭酸ナトリウム |
Research Abstract |
水素/酸素燃料電池反応を利用した過酸化水素の一段合成法による中性過酸化水素の合成を実現するために,本反応法を支配する様々な因子を解明し,理論立て,基礎的化学現象を解明することを目標している。本反応法はカソード,アノード,2枚のガス拡散電極を隔膜としても機能させ,この電極間に電解質溶液を満たす特異的な構造を有している。電解質液側と反対の電極面は,酸素ガス(カソード),水素ガス(アノード)に露出しており,高分圧の酸素ガス,水素ガスが高濃度のまま直接反応サイトに供給できることが特徴である。電解質に1-2規定の水酸化ナトリウム水溶液,VGCF(気相成長カーボンファイバー)ガス拡散電極(カソード),白金/炭素ガス拡散電極(アノード)を用い,それぞれ1気圧の酸素,水素ガスを導入することにより,電極間を短絡するだけで電流効率95%(水素基準選択率)で選択的かつ連続的に7重量%の過酸化水素水溶液を合成出来る。 この反応系を用いて,水酸化ナトリウムなどのアルカリ性電解質を用いずに,各種中性電解質を用いて過酸化水素の合成を試みた。カソードはアルカリ性電解質で活性であったVGCFガス拡散電極を用いた。その結果,炭酸ナトリウム電解質が有効であり,過酸化水素濃度は0.5wt%とまだまだ低いものの確かに,水素と酸素から直接過酸化水素を合成できることが分かった。この知見を元に,炭酸ナトリウム電解質を用いて次年度は中性電解質中でも高活性を示すカソードの開発を行い,この電極触媒作用を解明する。
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