2005 Fiscal Year Annual Research Report
振幅可変型水晶発振子を用いる複雑系タンパク質間相互作用の解明
Project/Area Number |
16655066
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡畑 恵雄 東京工業大学, フロンティア創造共同研究センター, 教授 (80038017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 俊明 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教授 (50262308)
古澤 広幸 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助手 (60345395)
川崎 剛美 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助手 (60334504)
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Keywords | DNAポリメラーゼ / タンパク質間相互作用 / 水晶発振子マイクロバランス / クランプローダー / クランプ / 振幅変化 |
Research Abstract |
申請者らはこれまでに、水晶発振子の振動数がその電極上に結合する質量に比例して減少する(-1Hz=0.62ng cm-2)ことを利用して、様々な生体分子間相互作用の定量的解析を行ってきた。これまでは、水晶発振子の電圧を一定にして物質の結合による振動数の減少を見てきたが、本研究では、発振させる電圧を変化させることにより振幅を変化させ、結合している物質の解離と結合を制御できることを利用して、細胞内の複雑系タンパク質の相互作用の解析を定量的に行うことを目的にして研究を行い、以下の成果を得た。 DNAポリメラーゼはテンプレート鎖に沿ってDNAを伸長する酵素であるが、ポリメラーゼはDNA鎖に横から挟み込むように結合しているだけであるので、それ単独ではDNA鎖を長く伸長できない。生体ではクランプとクランプローダーといわれるタンパク質と複合体を作ることによりポリメラーゼをはずれにくくし、長いDNA鎖を伸長できるようにしていると考えられている。水晶発振子の表面にDNA鎖とポリメラーゼ複合体を固定化し、振動電圧を3Vから5Vに増加させることにより振幅を大きくした。このことにより、弱く相互作用していたクランプやクランプローダーがDNA鎖から離れ、振幅を下げると可逆的に再結合する現象が水晶発振子の振動数変化から観察できた。このことからDNAポリメラーゼ複合体の結合の強さを定量化する事ができ、タンパク質複合体の再構築の制御が水晶発振子の振幅からできることがわかった。
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Research Products
(6 results)