2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16655067
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
牧 昌次郎 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (20266349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹羽 治樹 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (20135297)
平野 誉 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (20238380)
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Keywords | ヤコウタケ / 生物発光 / 蛍光 / ルシフェリン / ルシフェラーゼ / 生体物質 / 電子移動反応 / 生物有機化学 |
Research Abstract |
発光キノコ「ヤコウタケ」の生物発光に関わる物質を探索すべく,発光に必要な条件を探究した. 1.ヤコウタケ生物発光の酸素要求性について 申請者らは,ヤコウタケ生物発光が酸素要求性であることの明確な実証がなかった. 今回,発光しているヤコウタケ子実体を採取し,密閉した容器にアルゴンを満たして5〜6個のヤコウタケを縦に吊るし,ヤコウタケの生物発光が停止することを確認した.この容器の上部から徐々に空気を送り込み,下部からアルゴンを徐々に排出したところ,上から順々にヤコウタケの発光が回復することを確認した.本実験は複数回行なうことで再現性を確認し,ヤコウタケに空気(酸素)が必要であることを確認した.すなわち,一旦発光が停止した後でも発光が回復できることが明らかとなった.このことから,酸素によってヤコウタケ生物発光をON/OFFできることが判明した.しかし,長時間無酸素状態で放置すると,ヤコウタケが窒息し,生物発光が回復しなくなることも判明した. 2.ヤコウタケ生物発光の材料化への可能性について 申請者らは,生物発光系を材料として活用する方法に付いて模索している.すなわち「発光材料」として保存可能であり,簡便かつ容易に発光させられるような製材(光のモト)を創製したいと考えている. 今回,発光しているヤコウタケを採取,フリーズドライして粉末化し,このヤコウタケ粉末に空気中で水をかけると,発光が回復することを見い出した. つまりフリーズドライで発光を一時的に停止・保存させ,水を添加することで再び発光を開始させることに成功した. しかしこの方法ではヤコウタケの持続発光を再現することはできず,生物発光と生命活動との関係が示唆された.転ずることで,生命活動により供給される物質を人工的に補うことで,発光を人為的に持続できる可能性が想起された.
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