2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規有機補欠分子CTQ(システイン・トリプトフィルキノン)の全合成と機能解明
Project/Area Number |
16655074
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
伊東 忍 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30184659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舘 祥光 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50336757)
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Keywords | アミン脱水素酵素 / 有機補欠分子 / インドールキノン / アミン酸化反応機構 / 酵素反応機構 / キノプロテイン / トランスアミネーション機構 / CTQ |
Research Abstract |
本研究では、バクテリア由来のキノヘモプロテイン・アミン脱水素酵素から発見された新規な有機補欠分子CTQ(システイン・トリプトファンキノン)の全合成と、合成した化合物の詳細な構造、各種分光学的特性、酸化還元電位、アミン類との反応挙動、および詳細な酸化反応機構を明らかにすることを目的として検討を行った。平成16年度においては、補欠分子CTQと全く同じ基本骨格を有する4-置換-6,7-インドールキノン誘導体の合成について検討し、目的とするCTQモデル化合物の合成に成功した。得られたCTQモデル化合物については、結晶構造および溶液構造をX線結晶構造解析およびNMRにより明らかにし、酵素活性中心の構造と比較検討した。さらに、電子スペクトル、振動スペクトル、酸化還元電位などの測定を行い、基本的な物性を明らかにした。得られたデータについては酵素系のものと比較検討し、酵素活性中心の補欠分子を取り巻く環境が及ぼす影響や役割について詳細に考察を行った。さらにアミンの酸化反応についても速度論的に検討し、トランスアミネーション機構で進行していることを明らかにした。上で得られた結果を類似の有機補欠分子であるTTQ(トリプトファン・トリプトフィルキノン)のものと比較検討し、4位に結合した硫黄官能基の電子的効果について詳細に考察を加えるとともに、4位にアミン系官能基を導入した6,7-インドールキノン誘導体の合成にも着手した。
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