2004 Fiscal Year Annual Research Report
矩形断面を有する金属酸化物ナノチューブの堆積制御と物性探索
Project/Area Number |
16655075
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
末光 眞希 東北大学, 学際科学国際高等研究センター, 教授 (00134057)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 俊三 東北工業大学, 電子工学科, 助教授 (10118341)
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Keywords | 単斜晶系二酸化モリブデン / 中空ファイバー / ナノチューブ / 矩形断面 / アセチレン-酸素燃焼炎 / 金属酸化物 |
Research Abstract |
近年、セラミックスあるいは金属酸化物により構成されたナノスケールの中空ファイバが、注目を集めている。金属酸化物中空ファイバは複合強化材として、燃料電池メタノール酸化用に代表される触媒用材料として、触媒担持体として、ガスセンサ材料として、発光体用材料として、追記型光記録用フォトクロミック材料として、フラットパネルディスプレイ用電極として、及び半導体材料として、幅広い分野での応用に期待が高まっている。これらの金属酸化物の多くは絶縁体であるが、金属酸化物の中にはMoO_2、RuO_2、あるいはIrO_2のように導電性を示すものがある。こうした導電性酸化物は触媒,諸センサー,記録材料として、より大きな潜在的可能性を持っている。 本研究では金属Mo基板を裏面から酸素-アセチレン燃焼炎で加熱することにより,その表面に中空MoO_2形成することに初めて成功した。驚くべき事に、その断面形状は四角形(矩形)である。本研究では、この矩形断面を有する金属酸化物の中空ファイバ(ナノチューブ)の構造物性評価を(a)X線光電子分光法(XPS)、(b)X線回折法(XRD)、(c)走査電子顕微鏡(SEM)、を用いて行った。XPSの結果、当該中空ファイバの主成分はモリブデン(Mo)と酸素(O)であることが明らかになり、さらに粉末法によるXRD解析の結果、これが単斜晶系の二酸化モリブデンMoO_2であることが分かった。SEM観察の結果、中空ファイバは一辺が数10nmから10μmの矩形断面を有しており、チューブ長さは断面一辺の長さの約50倍であると分かった。
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