2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16655077
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
瀬川 浩司 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (50216511)
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Keywords | 太陽電池 / 光充電 / 太陽光発電 / エネルギー変換 / 導電性高分子 / ポルフィリン / 二次電池 |
Research Abstract |
太陽電池の利用拡大は重要な課題である。最近、低コスト高性能太陽電池として「色素増感太陽電池」が発表され、次世代太陽電池として期待されるようになった。色素増感太陽電池は、多孔性酸化チタンの表面に吸着した色素からの高効率光誘起電子移動と、電解質中の酸化還元とを組合せたものであり、形状自由度の高さやカラフルな太陽電池作成も可能なことから、高付加価値太陽電池としても期待されている。しかしながら、太陽電池には本質的に光強度に依存する出力変動があり、色素増感太陽電池ではその変動が大きいことが指摘されている。このため、実際の使用形態として二次電池との組み合わせが必要である。われわれは、湿式太陽電池の一つである色素増感太陽電池の主要な過程が光エネルギーの化学エネルギーへの変換反応であるという特徴を活かせば、太陽電池そのものに二次電池の機能(エネルギー貯蔵機能)を付与することもできると考えた。本研究では、この考えを実現する目的で、充放電が可能な光エネルギー貯蔵型色素増感太陽電池を開発した。本年度は、光エネルギー貯蔵型色素増感太陽電池の大容量化と高効率化を研究した。また、光充電の高速化なども検討した。色素増感太陽電池は、多孔性酸化チタンの表面に吸着したルテニウム系色素からの高効率光誘起電子移動を利用するものである。しかしながら、これまで高効率の電子移動を実現できる色素はカルボン酸基のついたルテニウム系色素だけであり、重金属を使わない高効率色素の開発が望まれている。われわれは、これまでポルフィリン分子集合体を用いた光エネルギー移動や電子移動を詳細に検討しており、従来のルテニウム系色素に代わるポルフィリン系増感色素を開発した。
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Research Products
(7 results)