2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16655084
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大谷 文章 北海道大学, 触媒化学研究センター, 教授 (80176924)
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Keywords | シリカ微粒子 / ポリスチレン微粒子 / 凝集構造 / シランカップリング剤 / アミド結合 / 粒径分布 / 表面修飾 / DCC |
Research Abstract |
さまざまな粒径の球状単分散シリカ微粒子について,アミノ基やカルボキシル基などの異なる官能基を表面に修飾し,異なる官能基をもつ異種粒子間の結合生成による凝集体の生成を試みた.反応の活性化剤として次シクロヘキシルカルボジイミド(DCC)などを使用したり,反応温度を制御したが,目的の凝集体は得られなかった.これは,粒子表面のミクロな凹凸のために,粒子間において適切な距離に近づくことが2種の官能基対の数が少なく(おそらく1つ),このために,粒子どうしの安定な結合ができなかったものと思われる.そこで,金属ナノ粒子を介在させることを試みた.まず,金粒子を用いる検討を行った.金のコロイド溶液を,塩化金酸のクエン酸による還元により調製し,よぶんのクエン酸を両性イオン交換樹脂によって取り除いたのち,アミノエチルトリエトキシシラン(AETS)により表面をアミノ基修飾させたシリカ粒子と混合させて,その表面に金粒子を付着させた.シリカ粒子の表面に一部にのみ金粒子を付着させるべく,AETSによる修飾条件を種々検討したが,成功しなかったので,全面に金粒子を付着させた粒子をつぎの結合実験にもちいた.メルカプトプロピルトリエトキシシラン(MPTS)をつかって表面をチオール基で修飾したシリカ粒子を調製し,大過剰量(粒子数としておよそ10倍)量の懸濁液に上記の金粒子担持シリカ粒子を少量ずつくわえて反応させた.得られたものを走査型電子顕微鏡によって観察した結果,チオール基修飾した大粒子が金粒子を修飾した小粒子のまわりに結合した目的の凝集体が生成していることがわかったが,その分率は少なかった.これは,金微粒子担持シリカ粒子がその調製直後において,おなじ金粒子を共有した凝集体構造をとっていることが原因と考えられる.
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