2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16655088
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
菊田 浩一 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00214742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 十志明 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40345921)
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Keywords | メソ材料 / ハイブリッド / 紫外線照射 / ナノマテリアル |
Research Abstract |
本年度は、紫外線照射によって金属含有分子を反応させ、セラミックス粒子あるいは金属粒子としてナノオーダーで析出させる技術の開発、および、この反応を非常に微細な層状化合物内やメソ領域の構造を持つ多孔体内で起こすための検討をすすめた。まず、金属含有分子については、種々の金属の中で紫外線に対して反応性が高いことが確認できている半導体化合物に加え、遷移金属への応用について検討を行った。 本研究では、現在まで検討を行ってきた光反応化合物が水に対して不安定なことから、ニッケルなどのアセチルアセトナートを利用した検討を進めた。この化合物は紫外線吸収能を有しており強力な紫外線では分解を生ずる。ホストとしては、紫外線吸収能を持たない層状化合物であるアルカリシリケートのマガディアイトやメソ多孔体であるMCM-41を水熱合成法によって作製する検討を進めた。条件探索の結果、インターカレーション機能の高いマガディアイトやきれいな配列を持つMCMが合成できるようになった。こうしたホスト化合物についてニッケル化合物などのインターカレーションを検討した。マガディアイト中へのインターカレーションは、容易に起きなかったが溶媒の選択によりニッケル特有の色を持つ複合体となることが確かめられた。層間距離などには大きな変化は観察されなかったが、溶液中に残存するニッケル分子の残存量からも明らかに複合化していることが確かめられている。また、新しい結合が形成されていることが赤外スペクトルから推測される。さらに、紫外線照射による反応過程を調査した。超高圧水銀ランプを用いた比較的長波長の紫外線を利用した分子の反応について検討を行った。紫外線照射によって試料の色は褐色に変化し、また、XPSの各元素についてのスペクトルにおいても明らかな変化が観察された。今後、より短波長の光源の利用による効率的な複合化と、複合状態の観察を進めて、触媒などへの応用の可能性も含めた検討を進める。
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