2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16655089
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
木島 剛 宮崎大学, 工学部, 教授 (90040451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 剛 宮崎大学, 工学部, 助教授 (40284567)
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Keywords | 複合界面活性剤 / 液晶 / ナノチューブ / 白金 / 合金 / 電解析出 |
Research Abstract |
申請者らは、複合界面活性剤系液晶を鋳型とする貴金属ナノチューブの合成に世界に先駆けて成功し、これらを燃料電池用等の高性能触媒として応用する研究を進めている。一方、水素吸蔵合金、超塑性合金等、主として卑金属元素で構成される機能性合金をナノチューブ化すると、ナノ構造により変調された極めて特異的な物性が協奏発現することが期待される。そこで、本研究では、複合界面活性剤液晶を鋳型とする合成法により、各種の合金ナノチューブを創製し、基礎物性を評価することにより、高性能センサ、マイクロマシン等への応用を目指すことを目的としている。しかし、これらの合金は主として卑金属元素で構成され、還元剤を用いる無電解還元法で作製することは困難である。このため、液晶場での金属塩の電解還元による合成プロセスを開拓する必要がある。 そこで本年度は、液晶を用いる電解析出の手法を確立するため、複合界面活性剤C_<12>EO_9/Tween60/H_2O系液晶を反応場とする白金塩(Na_2PtCl_6)の電解析出について、まず検討した。その結果、Tween60添加量の増加と共に極間電流値が低下すると共に、界面活性剤共存系で析出する白金は特異な形態を呈し、しかもそれがTween60の添加量によって変化することを見いだした。すなわち、Tween60の低添加量域では直径23nmのナノ粒子のシート状集合体が形成され、Tween60添加量の増加と共に個々の粒子の連結が進行し、高添加量域では二次元樹枝状形態に変化することがわかった。このような析出白金の二次元性は鋳型の円筒状ミセル集合構造を反映したものと考えられる。析出試料の電気化学特性の評価も併せて行った。これらの結果を基に、現在さらに、液晶を反応場とする卑金属スズ塩の電解析出についての予備的検討を進めている。
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