2004 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッド液晶化合物の合成とナノチューブ作成への応用
Project/Area Number |
16655090
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
岸川 圭希 千葉大学, 工学部, 助教授 (40241939)
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Keywords | 超分子 / 液晶 / 超構造 / ナノテクノロジー / 光重合 / ナノチューブ / ポリマー |
Research Abstract |
ルイス酸とルイス塩基からなる液晶状態の超分子を作成し、光重合でナノチューブ構造を作成することが本研究の目的である。そこで、当初の計画通り、9,9-ジプロペノイルオキシヘプタデカンを合成し、トリメトキシボランをルイス酸として、液晶相の発現を目指したが、カチオン重合によるポリマー化が、混合直後に起こり、液晶状態を実現できないことが判明した。そこで、方針を変え、酸としてトリアルコキシ安息香酸、塩基としてトリ(2-アミノエチル)アミンを用い、3:1の円盤状イオン性超分子化合物を合成した。アルキル基として、炭素数1から16の直鎖状のものを導入し、その熱挙動を偏光顕微鏡にて調査したところ、炭素数4以上の超分子は、すべて柱状液晶相を示した。この超分子の組成比を正確に求めるため、混合比を2.5%毎に調製して液晶性を調査したところ、75.0:25.0のときに、もっとも高い液晶-液体遷移温度を示した。このことは、正確に3:1錯体が形成されていることを示している。また、X線回折測定により、液晶状態の超構造を求めたところ、柱状集合体(カラム)が互いに入り込んだ状態にあり、分子モデルから予測したカラム径よりも、小さな値が得られた。単結晶X線回折を試みたが、結晶が薄いため、結晶相の充填構造を特定するまでにはいたっていない。この液晶化合物は、冷却時に結晶化せず、液晶の超分子構造を有したままガラス状態になることが観察された。これは、分子間に強いイオン結合が働いているため、超構造が崩れにくいことが原因と考えられる。今後は、この超分子液晶状態を高分子化することを試み、ナノチューブ作成を達成したい。
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Research Products
(5 results)