2004 Fiscal Year Annual Research Report
ネマチック液晶からの相分離を利用したハニカムネットワーク構造の創成
Project/Area Number |
16655092
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡邊 順次 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (90111666)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 勲 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (20016637)
黒木 重樹 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (30293046)
戸木田 雅利 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (30301170)
|
Keywords | ポリ(γ-ベンジル-L-グルタメート) / 化学架橋 / ミクロ分離相 / ナノキャビティ / ゲル |
Research Abstract |
ポリ(γ-ベンジル-L-グルタメート)(PBLG)はジクロロメタン、1,4-ジオキサン、クロロホルムなどの良溶媒中でコレステリック液晶を形成する。また、PBLG液晶は磁場及び電場中でネマチック液晶を形成しPBLG鎖が高配向する。本研究は、NMR磁場中で高配向のPBLG液晶溶液に、アルキルジアミンを導入し、化学架橋を施すことで、高分子-溶媒のミクロ相分離を誘起させ、nmスケールのチャンネルを有するゲルを創製することを主要な課題とした。具体的には、PBLG(MW=277,000)を1,4-ジオキサンに溶解した25wt%PBLGリオトロピック液晶0.2gを、内径4.2mmのテフロンチューブに入れ、室温で1日NMR磁場(10.5T)中でPBLG鎖(α-ヘリックス構造)を磁場方向に十分に配向させた後、NMR磁場からサンプルチューブを取り出し、架橋剤としてエチレンジアミン((A)5μL、(B)10μL、(C)20μL)を添加した。サンプル管は再びNMR磁場の中へ入れ、室温で3日間エステルアミド交換反応を進行させた。その後、サンプルA、B及びCをサンプルチューブから取り出し、過剰の1,4-ジオキサンで未反応の架橋剤及び副生成物であるベンジルアルコールを取り除き、最後に溶媒を取り除きロッド状の高配向ゲルを得た。その結果、サンプルBではμmスケールの溶媒だけを含むチャンネルを有するゲルが得られ、一方、架橋剤濃度が低い(A)では構造色を有する(数百nmサイズのチャンネルを有する)ゲルが得られることがわかった。特に前者では、NMRイメージング法を用いた手法で、チャンネルが試料全体にわたって貫通していることを示すことができ、予想すべき構造創製への第一段階をクリアーしたと確信する。
|