2005 Fiscal Year Annual Research Report
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16656003
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
久保田 均 独立行政法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス研究部門, 研究員 (30261605)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 康夫 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授 (60250726)
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Keywords | スピンバッテリー / 強磁性共鳴 / スピン注入 / スピン緩和 / CoFe / NiFe / CoFeB / スピン拡散長 |
Research Abstract |
本年度は強磁性共鳴によるスピンバッテリーの動作を実証するために,下記の二種類の素子を作製してその素子評価を行った. (1)強磁性体/非磁性体/強磁性体によるスピン注入とスピン緩和 強磁性体(CoFe,5nm)/非磁性体(Cu,5nm)/強磁性体(F,5nm)積層構造を作製し,強磁性共鳴を用いてスピン注入を行った.ここでFはCoFeB,Co_2MnAl,NiFeと変化させた.印加磁界強度を変化させることにより個々の強磁性体を独自に共鳴させることができるため,任意の方向へのスピン注入が実現できた.このときの強磁性体の共鳴線幅の変化から中間の非磁性体に注入されたスピンの緩和を評価した.スピンエミッタがCoFeの場合,対向電極がCoFeB,Co_2MnAl,NiFeの順で共鳴線幅が減少し,スピン蓄積量が増大することがわかった.またNiFeの膜厚を変化させたときの共鳴線幅の変化を測定し,NiFe内のスピン拡散長が3nmであることを実験的に示した.これらの結果より,積層構造の最適化によりスピンバッテリーは原理的に実現可能であることを明らかにした. (2)平面構造CoFeB/I/Al_<94>Si_6/I/CoFeB二重接合による非局所スピン注入 Al_<94>Si_6を下部電極とする平面構造CoFeB/I/Al_<94>Si_6/I/CoFeB二重接合を作製した.電子線リソグラフィによる高品位微細素子作製技術を確立し,150nmx250nmの接合面積において7x10^3Ωμmの抵抗を持つ素子を作製することに成功した.この素子において上部CoFeB第一電極からのAl_<94>Si_6電極への非局所スピン注入による電圧変化を上部CoFeB第二電極により測定することに成功した.
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Research Products
(13 results)