2004 Fiscal Year Annual Research Report
安熱合成法による高品質・大型バルクGaN単結晶の育成
Project/Area Number |
16656006
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福田 承生 東北大学, 多元物質科学研究所, 客員教授 (30199236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 彰 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (50292264)
山根 久典 東北大学, 学際科学国際高等研究センター, 教授 (20191364)
菊地 昌枝 東北福祉大学, 感性福祉研究所, 教授 (00005951)
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Keywords | GaN / 単結晶 / 安熱合成法 / 青色レーザー / 基板 |
Research Abstract |
GaNは短波長LED・LDに代表されるオプトエレクトロニクスデバイスや、高周波素子用材料として注目されており、すでに青色LDを用いた光ディスク装置が市販されるなど、産業応用も進んでいる。しかしながら、GaNに格子整合する基板がないことから、格子定数の異なるサファイア、もしくはサファイア上に気相成長法などによって作製された高価なGaN薄膜の基板を用いてデバイスが作製されており、これが素子の性能と価格を大きく制限する要因となっている。そのため近年、ホモエピタキシャル基板用としてGaNバルク単結晶開発が活発に行われているが、商業化に適した合成法はいまだに確立されていない。近年、本研究室では、株式会社東京電波との共同研究により、水晶の工業的製法に利用されている水熱合成法を用いたZnOバルク単結晶の作製技術を開発した。そこで、この水熱合成法の技術を応用し、超臨界アンモニア流体を溶媒として用いた安熱合成法により、GaNバルク単結晶の合成を試みている。本年度は、福田研究室に設計した安熱合成装置を用い、5000℃,135MPaという安熱法としては非常に低い圧力下での500μmサイズのGaN単結晶の作製に成功した。これはアンモニア溶媒を用いたGaN合成報告の中で、最小の合成圧力である。この温度圧力条件は、人工水晶の育成条件にほぼ等しく、将来の産業化が十分に見込める条件である。また、市販のGaN粉末の多くが不純物として酸素を多く含むのに対し、安熱合成法により得られたGaNは含有酸素量も非常に低いことが分かった。今後、種結晶を用いての結晶の大型化や、より低温低圧力で育成可能な鉱化剤・原料の最適化等を試みる予定である。
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Research Products
(4 results)