2005 Fiscal Year Annual Research Report
磁場配向させたゲルを利用した種々の結晶材料のゲル成長
Project/Area Number |
16656012
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
井上 哲夫 徳島大学, 工学部, 教授 (60005923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 篤史 徳島大学, 工学部, 講師 (10239593)
柳谷 伸一郎 徳島大学, 工学部, 助手 (40314851)
鈴木 吉尚 徳島大学, 工学部, 講師 (60325248)
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Keywords | ゲル成長 / PbBr_2 / 磁場中成長 / ナノ結晶 / 多重双晶粒子 |
Research Abstract |
本年度は、強磁場(5T)下でのゲル成長の実験を行った。具体的にはシリカゲルを用いて光学結晶であるPbBr_2を以下の3通りの方法で育成した。(1)強磁場下でゲルを作成・無磁場下で結晶育成、(2)無磁場下でゲルを作成・強磁場下で結晶育成、(3)強磁場中でゲルも結晶も作成。結果について以下に述べる。 1.強磁場下でゲルを作成し、無磁場下で結晶育成した場合 試験管の中で、Pb(NO_3)_2を含むシリカゲルとKBr水溶液を反応させ、PbBr_2結晶を育成した。ゲルと液の界面よりゲル中に向かって数mmサイズの短冊状結晶が多数成長した。一方、SEMやTEM観察の結果、ゲル中には、これら目に見えるサイズの結晶の他にナノサイズの結晶が多数生成されていた。磁場の効果は以下のように要約される。 (1)数mmサイズの短冊状結晶の成長には磁場の効果は見られなかった。 (2)ナノサイズの結晶のサイズと分布に影響が見られた。 (a)強磁場下で作成したゲル中で成長したナノ結晶のサイズ(100nm)は,無磁場下で成長したもの(25nm)に比べて約4倍大きかった。 (b)強磁場下で作成したゲル中で成長したナノ結晶は、一方向に優先的に配列する傾向があった。 2.無磁場下でゲルを作成し、強磁場下で結晶育成した場合 磁場のかけ方以外は、上記1と同様な方法で結晶育成を行った。磁場の効果はナノサイズの結晶成長にのみ、以下のように現れた。すなわちTEM観察の結果、強磁場下で成長した結晶(15nm)は無磁場下で成長したもの(25nm)よりも小さかった。 3.強磁場中でゲルも結晶も作成下場合 上記1,2と同様に磁場の効果はナノサイズの結晶成長にのみ現れた。すなわち高分解能TEM観察の結果、強磁場下では多重双晶粒子が形成されることがわかった。
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Research Products
(4 results)