2004 Fiscal Year Annual Research Report
エピタキシャル成長層での光電効果を利用した不純物ドーピング制御の試み
Project/Area Number |
16656013
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
奥村 次徳 東京都立大学, 工学研究科, 教授 (00117699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 成志 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (70336519)
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Keywords | 光電効果 / 窒化ガリウム / 不純物ドーピング / 分子線エピタキシ |
Research Abstract |
初年度である今年度は,光電効果を利用した不純物ドーピングに最も重要な光照射システムの構築とドーピングの前段階である窒化ガリウム(GaN)エピタキシャル層の高品質化に関する研究を行った. 光照射システムの構築に関しては,比較的高出力(10mW)であるEe-Cdレーザを光源として導入し,分子線エピタキシ(MBE)装置内にレーザ光を導入するための紫外線透過率の高い石英ガラス製ビューポートを取り付けた.光照射の効果の有無(程度)を検証するための手法として,次の2点を考案した.1点目は,光照射のON/OFF切り替えによるδ-ドーピング様成長を行い,不純物濃度の深さ方向分布を評価する.2点目は,エピタキシャル層表面の一部もしくは全部に光照射をすることにより不純物濃度の面内分布を評価する手法である.以上の評価手法を実行するために,エピタキシャル層表面に照射するレーザ光の光強度やスポットサイズを自動で変化させる機構を設計・導入した. GaNのMBE成長に関して,本研究グループでは,再現性のある高濃度ドーピングを実現させるためには高格子ミスマッチ系でのヘテロエピタキシャル成長の初期成長過程最適化が重要であると考えている.そこで,サファイア基板上への再現性の良い高品質GaN薄膜成長プロセスの確立を目的に,初期成長プロセス条件の最適化を推進した.基板温度やバッファ層のV/III比,プロセス時間などの成長に関する各パラメータを最適化し,高品質な薄膜が得られる成長条件を導いた.特に,サファイア基板に比較的低温(摂氏数百度程度)で長時間窒素ラジカル照射を行うことにより,均一な極薄窒化アルミニウム層が形成され,エピタキシャル膜の平坦性向上および高品質化に大きく寄与することを明らかにした.
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