2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ領域での物性制御と材料評価のための新しい高輝度スピン偏極電子源の開発
Project/Area Number |
16656016
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
畑 浩一 三重大学, 工学部, 助教授 (30228465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 裕司 三重大学, 工学部, 助手 (90301225)
清水 哲夫 産業技術総合研究所, ナノテクノロジー研究部門, 主任研究員 (40357215)
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Keywords | スピン偏極電子線 / 電界電子放出 / カーボンナノチューブ / スピントロニクス / 磁性体 / 電子源 |
Research Abstract |
本研究は,ナノ領域でのスピン物性研究に供する新しい高輝度スピン偏極電子源の開発を目的とし,Fe, Co, Ni等の強磁性体を中心空洞に内包したカーボンナノチューブ(CNT)あるいは強磁性体金属ナノワイヤーから電界放出された電子ビームのスピン偏極率を,Mott散乱法により調べるものである。これを達成するために,本年度は以下の項目について研究を行った。 (1)強磁性体金属ティップの作製法として電解研磨法を検討し,Niティップの作製を行った。電界放出顕微鏡法(FEM)によるティップの表面観察では,電解研磨により生成された塩が残存しており,この除去が問題となった。次年度に表面清浄化法の検討を行う。更に,清浄化されたNiティップについて,CVD法によりティップ先端の単磁区上CNTの精密選択成長を試みる。 (2)強磁性体金属ティップ先端の単磁区上に1本のCNTを担持した電界放出陰極試料の作製法を検討した。作製にはピエゾ駆動試料ステージを備えたSEMを用い,試料室内でCNTを単離後,ティップ先端に接着・固定する。現在,接着材とする金属の選定作業を行っている。 (3)設備備品として購入したMott電子スピン偏極検出器を現有設備のFEM/FIMに搭載するための筐体改造を行った。現在,真空排気特性,高電圧印加時の耐圧チェック,および制御系の作製を行っている。
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