2005 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブのマイクロ・アクチュエーターへの展開
Project/Area Number |
16656028
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
市川 洋 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10314072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市村 正也 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30203110)
内藤 隆 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80242907)
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Keywords | カーボンナノチューブ / プラズマCVD法 / 酸化物 |
Research Abstract |
圧電体表面上にカーボンナノチューブ(CNT)を成長させ、圧電振動によるCNT群の振動と、CNT群上の微粒子移動の確認を実証することが、本研究・期間内(〜平成18年度)の目標である。本年度は、主にCNT成長の最適化に向けた実験を行った。 圧電体上へのCNT形成を実現するためには、酸化物平板基板上へのCNT成長が必要不可欠である。プラズマCVD法においては、従来から炭化水素とアンモニア(NH_3)の混合ガスが使われてきたが、有害なシアン(HCN)生成の虞があることから、メタン(CH_4)あるいはエチレン(C_2H_4)と水素(H_2)のアンモニア・レス混合ガスでのCNT形成を試みた。接地電位のカーボンプレートと、基板ホルダーを平行(間隔;1cm)に配置し、基板ホルダーに直流負電圧を印可してプラズマを発生させた。基板を赤外線ランプによって最大700℃に加熱し、混合ガス圧力1〜100PaのもとプラズマCVD実験を行った。 酸化物基板上への、触媒性金属の供給をNi膜、NiO膜のコーティング、塩化ニッケル(NiCl_2)粉末の塗布で行ったが、NiCl_2粉末が塗布された基板上で最も密度の高いCNT生成が確認された。NiCl_2粉末は、エタノール(C_2H_5OH)に溶解し、酢酸n-ブチル(CH_3COO(CH_2)_3CH_3)との混合溶液を噴霧して基板表面に塗布した。さらに、CVDプロセス前に基板をH_2プラズマに曝すことで、CNT生成密度が上昇することがわかった。これは、H_2プラズマ前処理によってNiCl_2からの塩素解離や、Ni粒子の比表面積増大が起こり、Ni粒子と炭化水素ガスとの反応性が向上したのではと考えられる。しかしながら、CNTは曲線状に生成しており、配向化が今後の課題である。
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