2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16656029
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷 正彦 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 助教授 (00346181)
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Keywords | テラヘルツ電磁波 / 光伝導アンテナ / ショットキー複合 / 整流効果 |
Research Abstract |
通常、光伝導アンテナはテラヘルツ電磁波パルスに対してサンプリング検出器として動作し、電磁波の振幅時間波形を検出する。しかし、イメージング応用などでは波形すなわちスペクトル情報は必要でなく、波形を時間積分した強度情報のみがあればよいという場合も多い。また、波形検出にはポンプレーザーパルスとプローブレーザーパルス間の光学遅延を走査する必要があるため、ボローメーター検出器などを用いた強度メージングよりも時間がかかる。もし整流効果を利用したテラヘルツ電磁波パルスに対する積分強度検出器が利用できれば光学遅延を走査する必要がなくなるため、テラヘルツイメージングの高速化と簡便化につながる。本研究課題の目的は、半導体-金属電極間のショットキー接合の整流特性を利用し、光伝導ショットキーアンテナによるテラヘルツ電磁波パルスの積分強度検出を実証、実現することである。研究者は電極の一方をNi:Ge:Au合金で、もう一方の電極をAlで製作した光伝導アンテナをGaAs基板上に作製した。Ni:Ge:Au合金の電極はオーミックな特性を示すが,Al電極はショットキー的な特性を示すことが期待できる。実際,直流の電流-電圧依存には典型的なショットキー特性が確認できた。Al電極は先端を尖らせテラヘルツ電界が先端に集中するように工夫した。標準的な光伝導アンテナをフェムト秒レーザーで励起することで発生させたテラヘルツ電磁波パルスをショットキー接合を持つ光伝導素子で検出する実験を行った。発生側の光伝導アンテナのバイアス極性を反転させることで発生する電磁波の極性を反転させ、素子のテラヘルツ電磁波に対する整流応答を調べた。その結果、最大で30%程度の整流効果(順バイアスと逆バイアス時のピーク信号の違い)を確認することができた。整流効果による信号はバイアス電圧の大きさに対して非線形に変化した。また時間領域信号で観測された整流信号は基板のSI-GaAs中に励起された光伝導キャリアの過渡応答にほぼ対応していることがわかった。成果は昨年行われたCLEO Pacific-Rim2005,及びIRMMW-THZ2005などの国際会議で発表した。またInternational Journal of Infrared and Millimeter Wavesへ論文を投稿し受理された。
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Research Products
(1 results)