2005 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化テルル振動子を用いた革新的バイオ・ケミカルセンサの開発
Project/Area Number |
16656030
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荻 博次 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (90252626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平尾 雅彦 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (80112027)
垂水 竜一 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (30362643)
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Keywords | バイオセンサ / 二酸化テルル / 共振周波数 / 無線・無電極 / 免疫グロブリン |
Research Abstract |
本研究の目的は,二酸化テルル(TeO_2)や水晶結晶に振動電場を当て,非接触で振動を励起・検出する振動子センサを開発し,これをバイオケミカルセンサへ適用することである.本年度においては,前年度作成した二酸化テルル振動子と水晶振動子を用いて,リン酸緩衝液中のヒト免疫グロブリンGの検出を試みた.試料表面にプラチナ電極をスパッタリングにより成膜し,その上にシラン・カップリング法によりシラン化処理を行い,さらに,プロテインAを固定化した.IgGのFc部とプロテインAは極めて高い親和を塗示し,結合することを利用し,IgGをプロテインAによって補足させ,振動子表面の質量を増加させて振動子の共振周波数の低下量を測定することによりIgG付着したIgG量を計量するのである.IgGの補足による周波数減少量は微量であるため,温度の影響を軽減する目的で,一定温度で液体が流れるフローセルを開発し,このセル内に振動子を設置して,セルの外部から共振振動を励起・検出した. 結果,二酸化テルル振動子により微量のIgGを検出することが可能であることが明らかとなり,その測定感度は水晶振動子を用いた場合と同等あるいは高いことが分かった.しかし,IgGをプロテインAから解離させるための解離剤であるグリシン塩酸緩衝液を注入すると,二酸化テルルが若干溶解され,これによりプロテインAそのものが離脱してしまうという問題が確認された.今後は解離剤の選択が重要な課題となる.
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Research Products
(2 results)