2004 Fiscal Year Annual Research Report
サイズモエレクトリック効果を利用した新しい材料欠陥検出法の開発
Project/Area Number |
16656036
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
齊藤 玄敏 弘前大学, 理工学部, 助教授 (70264091)
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Keywords | サイズモエレクトリック効果 / 非破壊検査 / 超音波 / 電位差 / き裂 |
Research Abstract |
本研究は,材料内に存在する流体で満たされた欠陥の新しい検出方法の開発を目的としている.欠陥の検出原理にはサイズモエレクトリック効果を用いる.サイズモエレクトリック効果とは,地震動によって地下に存在するき裂内部の流体が振動し,それによって生じる地電流,地電位差などの電気的現象である.この現象を材料の欠陥検出に応用するには,材料の外部から超音波トランスデューサで欠陥内の流体に刺激を与え,その結果生じる電位変化を計測する方法が考えられる. 本年度は欠陥検出システムのプロトタイプを作成した.計測システムは,欠陥内の流体に外部から刺激を与える超音波トランスデューサ部計測システムは,欠陥内の流体に外部から刺激を与える超音波トランスデューサ部(超音波センサ,ファンクションジェネレータ)と表面電位検出部(電極,ワイドバンドアンプ,オシロスコープ)及びデータ記録部(パーソナルコンピュータ)で構成した.欠陥としては,2つの試料ブロック(アクリル,花崗岩)を一定の隙間を持たせて接合し,その隙間を欠陥として用いた.また,その隙間内部には流体(純水)を充填した. 実験の結果,ノイズが大きくデータの質はあまり良くないが,二種類のサイズモエレクトリック効果が測定された.一つは,試料間の間隙で発生し光速で伝播するもの.一つは花崗岩の粒界に充填された流体の移動により発生し弾性波速度で伝搬するものである.計測システムに改良を加え,ノイズを押さえることができれば,前者のサイズモエレクトリック効果は欠陥の位置評定に十分利用できることが明らかになった.
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