2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16656042
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
澁谷 陽二 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70206150)
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Keywords | 咬合力 / 咬合湾曲面 / 有限要素解析 / 下顎系計算モデル / オクルーザー |
Research Abstract |
本研究は,まず個体に応じた歯列の幾何形状を正確に求め,各歯に働く咬合力および咬合モーメントを明確に定義し同定する.そして,歯列,咬合筋系,下顎を含めた下顎系3次元力学モデルを構築し,従来の幾何学や生理学的観点ではなく,力学の観点から3次元の咬合力学バランスを評価し理想とする新たな咬合湾曲面を創出し具現化することを目指したものである.そのために,以下の項目を実施した. ・個体の顔面特長寸法を計測するために,デジタルカメラを用いたキャリブレーション技法の画像処理技術に基づく3次元非接触計測装置の開発を行った.カメラパラメータ決定のための因子を抽出し,最適値の同定を行った.精度保証をするための最適なシステム構成を検討するとともに,皮膚の厚みの補正を行った結果,セファロレントゲン写真からの寸法に比べて約6%程度の範囲内で計測できることがわかった.下顎頭から歯列代表点および下顎代表点といった特長をとらえるための寸法を計測し,咬合解析シミュレータの幾何形状情報をオンラインで与えることができるようになった. ・咬合圧力のスカラー値を計測する既存設備のオクルーザから圧力分布データを取得するシステムを開発した.歯列の接触領域を画像処理により区分化し,各歯に働く咬合力および咬合モーメントを解析し,個体に応じた下顎-咬合筋系-歯列の3次元力学モデルの構築を行った. ・計算力学手法により下顎系に生じる咬合力バランスを評価し,下顎頭に生じる支持反力が最小になるための力学的に理想とする咬合曲面(球面近似)の中心点が解析により抽出珂能になった.従来からの統計的なデータと比較すると,前後方向に5mm程度ずれていることがわかった.
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