2004 Fiscal Year Annual Research Report
異方性異種材料接合界面の信頼性評価のためのマルチスケール手法の開発
Project/Area Number |
16656043
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮崎 則幸 京都大学, 工学研究科, 教授 (10166150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 徹 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40243894)
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Keywords | 異方性弾性論 / 異種材界面き裂 / 応力拡大係数 / MEMS / 陽極接合 / はく離強度 / 有限要素法 / 分子動力学 |
Research Abstract |
(1)異方性異種材界面き裂の応力拡大係数を、異方性弾性論から求まる既知の一般化平面ひずみ弾性理論解と有限要素解の重ね合わせの手法を仮想き裂進展法に用いることにより、各モードの応力拡大係数を分離した形で求めることができる解析コードを開発した。この解析コードは機械的負荷だけでなく熱応力負荷の場合も解析できものである。さらに、この解析コードを用いて検証用の問題の応力拡大係数解析を行った結果、誤差1%以内の精度で解が求まることがわかった。 (2)MEMSでは、パイレックスガラスとシリコンの陽極接合がしばしば用いられている。この陽極接合は、常温で残留応力を有しており、またシリコンウエハの方位を変化させることにより、異方性接合部における強度の方位依存性を調べることができるなど、異方性異種材接合部の一般的な特徴を備えている。そこで、現有の陽極接合装置およびはく離強度試験装置を用いて部分はく離を有する陽極接合試験片のはく離強度試験を実施した。 (3)上記(2)の実験結果を、上記(1)で開発した解析コードを用いて解析し、陽極接合部のはく離靭性値を求めた。このようにして求めたはく離靭性値は、実際のMEMS中の陽極接合部のはく離に対する評価とはく離防止設計にフィードバックできる点が重要な特徴である。 (4)ナノレベルの解析ツールとして分子動力学法による解析コードを開発した。この解析コードを用いてα-Feのナノインデンテーション解析、および繰り返し荷重下でのき裂進展現象の解析を実施した。特に、き裂進展解析の結果、繰り返し負荷によりき裂先端近傍に生成されるボイドと既に存在するき裂の合体によるき裂の成長という疲労き裂の初期過程のメカニズムの新たな提案をすることができた。
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