2004 Fiscal Year Annual Research Report
プロービング用マイクロモータのための新原理モータのフィジビリティテスト
Project/Area Number |
16656045
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
清野 慧 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40005468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 純 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40374954)
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Keywords | モータ / リニアモータ / マイクロパターン / 駆動機構 / 精密切削加工 |
Research Abstract |
本研究は新しい駆動原理のモータの開発を行うものである. お互いに噛み合わさる,大きさ数十μmオーダの周期構造(例えば三角波形状)をもつ2つの部品を歯の高さ分だけ離して平行に配置し,それぞれを駆動部,従動部とする.駆動部の山と従動部の谷の位置がずれた状態で駆動部を従動部に押し込むと,接触部に押し込み方向から見て斜め方向の力が発生する.このとき,従動部を押し込み方向には移動しないように拘束すると,分力により押し込み方向と直角方向に従動部が移動する.従動部に対してそれぞれ1/nずつ位相のずれたn個の駆動部を用意し,それらを順次押し込むことで従動部の連続的な移動が実現する. パターンに台形形状を用いた場合に関して,推進力発生の幾何学条件から,駆動ステップ幅,周期パターンのピッチ,歯の高さ,駆動部の数,台形上辺の長さ,台形パターンの開き角,位置決め許容誤差の関係を明らかにした. 提案した新原理の検証のため圧電素子で駆動部に変位を与える1軸リニアモータ機構を設計した.複数の駆動部を全て位置決め許容誤差内に配置するために,各駆動部の相対的な位置関係を固定でき,かつ独立して押出し駆動を行える板バネ機構ならびにその加工法を提案した. ピッチ80μmの台形周期パターンを,SS400鋼に施したニッケルメッキ層上に,ダイヤモンドバイトを用いた引切り加工にて作成した. 駆動実験を行ったところ,駆動部の切り替え時に生ずるバックラッシから連続駆動に問題が生じたが,2つの駆動部の押し込み制御により解決できることを示した.なお,この手法はマイクロステップ化も可能とする.また,限界駆動周波数特性から最大移動速度の推定を行った.さらに従動側に負荷を掛け,少なくとも435gfの保持力があることを確認した. また,実験後もマイクロパターンが破損しておらず,接触駆動型リニアモータとしての耐久性を有することを確認した.
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