2005 Fiscal Year Annual Research Report
エバネッセント局在フォトンを利用したナノ光造形法に関する基礎的研究
Project/Area Number |
16656049
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 哲 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (30283724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高増 潔 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70154896)
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Keywords | エバネッセント光 / 光造形 / マイクロ光造形 / 光硬化性樹脂 |
Research Abstract |
本申請研究は,原理的に光エネルギー局在特性を有しているエバネッセント光(局在フォトン)と生産性に優れ工業的価値の高い一括面露光型光造形法を融合することによって,200nm程度の最小硬化単位を有しつつ,mmスケールまでの造形物サイズを創成可能な,全く新しいナノ光造形法の確立を目的としたものである. (1)樹脂硬化・時間軸シミュレーション技術(2)露光エバネッセント光強度分布変調制御技術(3)規制露光面からの硬化樹脂剥離・極薄積層技術(4)樹脂硬化過程のインプロセス計測・フィードバック制御技術,から成る要素技術課題を達成し、新しいナノ構造創成技術の確立を目指しており,平成17年度は以下の具体的な研究成果を達成した ・エバネッセント局在フォトンを利用したナノ光造形装置の設計・試作(高増潔担当) 昨年度に得られた知見に基づき,エバネッセント光による一括露光型光造形装置を設計・試作し,極薄樹脂三次元積層造形特性について,実験的に検討を行う.試作装置は,開口数1.65の高NA対物レンズ,分解能10nmの樹脂引き上げピエゾユニット等から構成され,所望の仕様を満足することが確認された. ・樹脂硬化過程のインプロセス観察機構の実現(高橋哲担当) エバネッセント生成用の高NA対物レンズに,樹脂硬化を引き起こさない長波長照明ユニットを組み込むことで,硬化樹脂に影響を与えず,樹脂硬化プロセスをリアルタイムで観察可能な光学系を構築した.これにより,露光エネルギーや硬化時間の最適化が実験的に行えることを確認した. ・試作装置による三次元ナノ構造の創製検証実験(高橋哲担当) 上述のナノ光造形装置を用いて,直径数10μm,段差500nm程度のマイクロステップの創製に成功した.このマイクロステップは,生産性の高い一括露光面光造形法において,世界最小のサイズである.また,本装置により,面内方向分解能は,150nmに達することが確認された.
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Research Products
(7 results)