2004 Fiscal Year Annual Research Report
電界制御によるカーボンナノチューブ3次元中空構造物の作製
Project/Area Number |
16656057
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大前 伸夫 神戸大学, 工学部, 教授 (60029345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木之下 博 神戸大学, 工学部, 助手 (50362760)
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Keywords | カーボンナノチューブ / ナノストラクチャー / ナノ微粒子 |
Research Abstract |
マイクロ波プラズマCVD法において、バイアス電圧を印加することによってカーボンナノチューブの成長方向を制御する実験を行ってきたが、本研究においては簡便な熱CVD法を基本として、かつ電界及び磁界等を作用させることで、カーボンナノチューブの立体構造物作製のアプローチを試みた。Feナノ微粒子触媒を用いてカーボンナノチューブを成長させる場合、その形状やアニール温度等を制御することでカーボンナノチューブ薄膜の形状を制御できることが明らかとなった。すなわち、カーボンナノチューブの高密度化は垂直配向カーボンナノチューブ薄膜形成に関与することが判った。一方、粗密度のFe微粒子の場合はスパゲッティー状になることが判り、外部制御なしに垂直配向とスパゲッティー状との作り分けが可能となった。 さらに、カーボンナノチューブをコイル状に創製することを試み、Fe微粒子の中にFe_2O_3を犠牲層として導入することによって、カーボンナノコイルの大量合成を行うことが可能となった。以上のように、Feナノ微粒子の形状や組成を制御することにより、カーボンナノチューブの形状を制御できることを明らかとした。これらに加え現在、電界および磁界を用いて外部から直接制御がすることによって、カーボンナノチューブの生成中においても形状を制御し、精度よく任意のカーボンナノチューブの形状制御を行う実験を継続している。Fe微粒子を用いたカーボンナノコイルの作製は現在まで報告されておらず、本研究は安価にカーボンナノチューブの3次元構造物の作製を可能にするものと考えられる。
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