Research Abstract |
本研究では,水中平面衝撃波の培養細胞への影響を調べることを目的とし,分散内皮細胞と組織内皮細胞へ衝撃波を作用させた際の,形状変化,細胞面積履歴変化,細胞数履歴変化を検討した.その結果,以下の結果を得た. (1)分散内皮細胞 1.衝撃波を作用させることによって,分散内皮細胞の形状,面積増加率,細胞数に影響を及ぼすことが確認できた. 2.細胞半径は,衝撃波を作用させると,収縮する傾向があった. 3.衝撃波作用回数を増加させるに伴い,影響は大きく現れた. 4.継代数が少ない細胞のほうが,衝撃波による形状変化は少ない. 5.継代数が少ない細胞のほうが実面積は小さいが,面積増加率,細胞数変化は大きい. 6.死滅率は衝撃波作用回数を多くするにつれ高くなり,継代数が少ない細胞のほうが死滅率は低い. (2)組織内皮細胞 1.衝撃波を作用させることによって,細胞半径は若干収縮する傾向があった. 2.細胞半径は衝撃波を作用させた直後から,30分かけて徐々に変化した. 3.衝撃波によって,組織細胞はほとんど死滅しない. 以上のように,分散内皮細胞に関しては,衝撃波によりある程度の刺激を細胞に与えることで,細胞を活性化できることが示唆された.この結果から,衝撃波による細胞の増殖制御の可能性を示した.しかし,生体に近い条件である組織細胞に関しては,これまでの解析では機能変化は確認できなかった.今後の発展としては,組織内皮細胞実験での細胞機能(増殖因子)の解析を検討している.また,組織内皮細胞へのレーザ誘起衝撃波作用実験を検討している.
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