2004 Fiscal Year Annual Research Report
非平衡熱電素子を用いた医療用急速冷却伝熱制御の研究
Project/Area Number |
16656067
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
圓山 重直 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (80173962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山家 智之 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (70241578)
小宮 敦樹 東北大学, 流体科学研究所, 助手 (60371142)
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Keywords | 高熱流束 / クライオプローブ / 生体実験 / 熱電素子 / 相変化 / 冷凍治療 |
Research Abstract |
本年度は主として,非平衡熱電素子の理論に基づきペルチェ素子の構造やサイズを決定し,最適電流の推定など医療用急速冷却伝熱制御システムの最低化設計を行った.また,微小のペルチェ素子を付加した数種類のプロトタイプ急速冷却クライオプローブを開発・製作し,その冷却性能を評価した. 圓山代表者による高熱流束実現の理論的考察により,数種類の生体冷凍治療クライオプローブを作成し,高熱流束冷却伝熱制御システムの作動原理確立をはかった.生体冷凍治療手術に必要とされるプローブの具体的な到達温度範囲および冷却性能を,山家分担者らが既に別で行っている生体実験のデータを基に割り出し,山家分担者・小宮分担者によってその仕様を満たせるかの検証実験を行った.実験には生体を模擬した寒天を使用し,実際の応用に即した環境で行った.結果として,理論的アプローチおよび実験的検証から,今年度製作したクライオプローブは生体冷凍治療手術に必要とされる冷却性能を十分有していることがわかり,最適化設計および動作原理が確立されたと言える.今後は製作した急速冷却装置を動物実験に応用していく予定である. また,今年度の実験で,連続運転により最下点到達温度が長時間維持できないという問題点も明らかとなった.この打開策は既に検討されており,クライオプローブ先端部の構造見直しをすることで,熱的環境を大幅に変えることである. なお,上記研究成果の一部は国内の学術講演会にて発表を行っており,評価を得ている.また,今年度の研究成果を来年度初頭に開催される実験熱流体を基調とした国際会議においても発表を予定している.
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