2004 Fiscal Year Annual Research Report
人工臓器における大規模集積流路ネットワークの形態設計・評価に関する研究
Project/Area Number |
16656068
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
白樫 了 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (80292754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 康行 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (00235128)
高野 清 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (60302626)
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Keywords | 人工臓器 / 大規模集積流路 / 形態設計理論 / 光造形 |
Research Abstract |
初年度は,流路ネットワーク(循環系)の形状設計のための計算と,流路作成に使う2種類の装置の設計・試作を,ラット程度のサイズの個体に使う人工肝臓のscaffold(細胞担体)内の流路を対象として行った. scaffold内の流路作成については,設計によって得られた形状を忠実に再現する製造法として,1)光造形装置を用いて,ラピッドプロトタイピングで流路を生体吸収性のある光硬化性ポリカプロラクトンに直接造形する,2)観察用の二次元流路の型を作成して発泡性光硬化樹脂を成形する,ことを試みた.1)については,高精度の光造形装置の動作条件に適合した生分解性の光硬化ポリマーを調合し,その光硬化特性を測定した.現在は形状の試作の段階にある.2)については,ポリ乳酸に等価直径300μm程度の連結孔の流路をもつ多孔質体を作成し,その流動抵抗を測定した.さらに,流路の型となる材料の選定と多孔質体への転写の程度を評価した. 流路形状の計算については,3種類の計算コードを作成した.即ち,均一な細胞分布を初期値,決められた流路の体積分率を拘束条件として,流路の大きさが流動抵抗を小さくする様に変化するボトムアップ的形状設計と,上記の1)のタイプのscaffoldに対して,物質輸送が対流支配と拡散支配の場合の2種類について,空間的に均一な酸素消費,流路の体積分率を拘束条件とし,constractal理論を応用した流動抵抗が極小となるフラクタル状の流路のトップダウン的に設計手法を開発した.
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