2004 Fiscal Year Annual Research Report
ソーレ効果を用いた水素混合ガスの成分分離デバイスの開発に関する基礎研究
Project/Area Number |
16656069
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
庄司 正弘 独立行政法人産業技術総合研究所, エネルギー技術研究部門, 連携研究体長 (00011130)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 満 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (30010854)
松本 壮平 独立行政法人産業技術総合研究所, 先進製造プロセス研究部門, 主任研究員 (70358050)
|
Keywords | ソーレ効果 / 水素 / 熱伝達 / 濃度分布 / ガス成分分離 / マイクロチャネル |
Research Abstract |
近年の水素利用技術に関連し,水素ガスあるいはその混合気において例外的に顕在化する温度による濃度分布形成(ソーレ効果)に注目し,それを利用して省エネ型の新しいガス分離デバイスを開発することを目的として、初年度は実験計画の策定、実験装置の設計・製作を行った。本実験は、可燃性で危険性のある水素を試験ガスとして用いるため、実験には細心の注意を要するため、その研究計画、装置の詳細な検討を繰り返したため、現在装置が完成し、試験の段階であり、データを収集するに至っていない。したがってまた、研究成果の公表実績もない。装置は次のような実験研究を行うものとして設計製作されている。つまり水素と窒素の混合ガスの成分分離を念頭に,先ず,水素,窒素それぞれのガス単独における伝熱と成分分離(ソーレ効果)について基礎的に調べるため,高さ5mm,幅15mm,長さ20mmの微小な矩形チャンネルを流路として,そこに試験ガスを流入させる.そして、上面を加熱,下面を冷却して鉛直方向に温度勾配を作り,上下面間の熱伝達を詳細に調べる.ここでの実験パラメタは系の圧力、及び混合ガスの成分比率(水素と窒素の混合割合)である.ソーレ効果が強いと、対流にもそれに応じた乱れ(ゆらぎ)が生じると予想される。その状況や挙動を見るため、ガス中に熱容量の小さな感温シートを置き、その温度を放射温度計で計測する。流れ場の詳細なデータが必要ならマッハツンダー法かホログラフィー法を用いる予定である。なお、ソーレ効果の強さ程度の測定は、ソーレ効果が無いとしたときの伝熱量(理論)に対する実際の伝熱量の比の形で評価するとしている。また、ソーレ効果によるガス分離に関しては下流部にサンプリングルームを設けてあり、ガスクロマトグラフィーで成分を測定することとしている。
|