2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16656070
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
望月 貞成 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 教授 (10013715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 章 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助教授 (60239522)
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Keywords | 伝熱 / 振動流 / 物質輸送促進 / 熱輸送促進 / 剥離 / 流れの可視化 |
Research Abstract |
つい最近,本研究代表者らは,壁面上に複数のはく離誘起体(例えば環状リブ)が設置された円管の中の流体を管軸方向に振動させると,双方向の物質輸送が生ずるという興味ある現象を見いだした.物質が輸送されれば,それに応じて熱エネルギも輸送される.本研究は,上述の予備的な可視化実験により見いだされた興味ある新しい現象につき,物質・熱輸送の機構を解明し,さらにその性能に及す諸パラメタの影響を明らかにすることを目的とする. 流れの可視化と物質輸送実験では,テストセクションにアクリル製円管(内直径32mm,長さ500mm)を用いた.環状リブ(正方形断面,高さ5mm,幅5mm)は,ピッチ50mmまたは100mmで円管内壁に設置した.作動流体(水)へのインク注入による流れの可視化を行うとともに,設定距離間のインク輸送時間を計測し,これを物質輸送促進の指標とした.ストローク体積を増加させていくと,インク輸送時間はあるストローク体積(ウォーマースリー数12の場合に,リブ間体積の1.5倍)を境に大きく減少した.このインク輸送時間が減少した時には,トレーサはより後方のリブに捕捉されており,リブ付き円管内振動流における物質輸送促進には,流体の剥離領域への捕捉・解放が関係していることが分かった. 伝熱実験では,作動流体は水であり,テストセクションは加熱・冷却部間を耐熱塩化ビニル製円管(内直径16mm,長さ800mm)でつないだ構造をしている.環状リブ(矩形断面,高さ1.5mm,3.0mm,4.5mm,幅1.5mm)は,ピッチ16mmで円管内壁に設置した.リブによって形成される剥離領域の影響により実効熱伝導率は増大し,本実験条件内では,リブ付管の実効熱伝導率は平滑管の最大約36倍(銅の熱伝導率の60倍以上)となった.
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